MJ:日経流通18面掲載
2008.03.28
マーケティングスキル欄に、わたし濱川とカレンの記事が掲載されました。
さすがプロの記者さん。取材のやりとりでは、どのような記事になるのか想像つかなかったのですが、 出来上がりを見ると
「あの取材内容と、書籍の内容をこうやって編集したんだ~」
と目からウロコ。
もし、お手元にありましたら、ぜひ一読を!
投稿者 : 濱川 智 | 投稿日時 : 2008.03.28 08:24
自分マーケティング:自分の資産を調律しろ!
2008.03.27
「もっとやりがいのある仕事をしたい」
「もっと好待遇の職場に移りたい」
「好きな仕事で飯を食いたい」
これらは、働く人間であれば誰もが持っている願望だろう。
でも、残念なことに、これらの願望を実現できる人ばかりではない。いや、実現できずに悶々としている人のほうが、はるかに多い。
では、どうすれば「実現できる一握りの人」になれるのだろうか。そもそも、そんな方法が実在するのだろうか……。
答えから言うと「ある」。
説明するために、この状態を可視化させてみると
現在:もっとやりがいのある仕事をしたい(けれど問題がある)
↓
↓←問題を解決する=自分の価値が高まる
↓
理想:やりがいのある仕事をバリバリこなしている
こうなる。
順番に説明すると
1.現状と理想にギャップがある
2.なんらかの問題があるからギャップを超えられない
3.問題を発見する
4.問題を解決するアイデアを発想し、投入する
5.自分の価値が高まる
6.理想の姿を実現する
願望を実現する道のりはこんな感じだ。
勘の良い人は、お気づきかも知れない。そう。この一連のプロセスは、「マーケティングプロセス」そのもの。
つまり、「なりたい自分」「やりたい仕事」を実現している人は、キチンと自分マーケティングをしている人なのだ。もちろん、当人は意識していないかもしれない。しかし、例外なく自分マーケティングをしている。
現在の自分が抱えている問題の核心を発見し、解決することで自分自身の価値を高め、理想の姿を実現する。言葉にすると簡単である。
しかし、実践している人は少ない。
なぜか?
多くの人が嵌ってしまっているワナが、見せかけの問題に目を奪われていること。そのために真の問題解決に至らず、価値を上げることができない。だから理想の姿が実現できないのだ。
真の問題は、お客さまの中にあるのに気づいていないのだ。
つまり、「こんな人材だったら高いお金払ってでもほしい」「こんな人だったら責任のある仕事(やりがいのある仕事)を任せられる」こうしたお客さまのインサイト(真のニーズ)を読み解くことができなければ、真の問題など見えるはずがない。
しかし、「こんなスキルを身につければ好待遇で迎えてくれるだろう」「やりがいある仕事をするために、この資格を取ろう」 などと自分視点で現状を読み解こうとするから、見せかけの問題ばかり追いかけてしまうのだ。
繰り返すが、問題はお客さまの中にあるのだ。
マーケティング視点で考えればすぐにわかる。価値を決めるのは「お客さま」だからだ。商品の価値を決めるのに、その商品の開発にいくら投資したか、どれだけ苦労したのかなんて関係ない。お客さまが「その商品にいくら払っていいと感じるか」が価値の基準なのだから。
自分(商品)の価値を自分(自社)だけで決めてしまうのは危険きわまりない。しかし、何故だろう?自分のことになると、客観的な視点で自分の価値や問題を捉えることができなくなってしまう。
それゆえに「がんばっているのに評価されない」とか「勉強しているのにちっともキャリアアップできない」という不満につながってゆく。
変えなくてはいけない。
「どんな能力を求められているのか」「何に投資すればキャリアアップできるのか」客観的な視点で自分がするべきことを見つめるように。
自分の潜在能力・資産が最大の価値を生むように、自分自身を調律する。
この調律作業こそが自分マーケティングであり、理想の自分を実現するための特効薬だと思う。
投稿者 : 濱川 智 | 投稿日時 : 2008.03.27 12:16
優れたデザインの4大原則
2008.03.18
いつもマーケティング系の記事を上げることもあり、そっちの筋の人だと思われているだろうから、今日はデザインの話をしよ。
今でこそマーケティング、特にインサイトマーケティングが専門という位置づけになっているけれど、なにを隠そう、もともとはデザインが専門なのだから。
デザイン
非常に幅広い概念であり、デザインの仕事といっても、それはそれは領域が広いので数多くの専門家が存在する。
ちなみに、わたしの専門デザイン領域は「情報のユニバーサルデザイン」。
より具体的に言えば、認知心理学をベースにしたシステムと人間のコミュニケーションデザイン(インタラクティブデザイン)、とりわけWeb領域が専門。
言葉にすると、非常にニッチな感じだ。
しかし「より多くの利用者が目的達成できるデザイン」と言い換えれば、とても汎用的に聞こえるから不思議だ。デザインは提供者側の視点ではなく、利用者側の視点でつくるべきである。という至極まっとうなことを、ただ難しく表現しているだけなのかもしれない。
いずれにしても、現在行っている「徹底した生活者視点のマーケティング」を「デザイン」にも適用している。順序はデザインが先だけど。
当たり前の話だけど、デザインは重要である。
なんと言っても、企業(システム)と生活者(利用者)の唯一の接点がデザインである。デザインを通じて、企業はお客さまとコミュニケーションする。つまり、デザインが悪ければ、どんなに素敵な商品であっても・どんな素晴らしいサービスであっても、残念ながらその価値は伝わらない。
伝わらない価値では意味がない。
だから、デザインというものは非常に重要なのだ。この本質を理解している人は、見栄え(スタイリングと呼んでいる)にこだわるようなことをしない。
伝わることを重視する。伝えるのは色味や・やわらかさといった視覚情報ではない。そのデザインが伝えるべき価値を伝えるのだ。コミュニケーションデザインの優劣・価値はその一点で測られる。
では、よいコミュニケーションデザインの秘訣とは何だろうか?
拙著:Webビジネスのためのユニバーサルデザイン
では、いくつかの法則を紹介しているが、もっとも簡単で実践しやすいのが
『インストラクションの4大原則』だ。
優れたデザインは、腕の良いインストラクターに似ている。そう、スポーツクラブなどにいるインストラクターだ。次に自分が何をすればいいのかを、自然に伝えてくれる人が腕の良いインストラクターであり、優れたデザインも同じく、利用者を自然にゴールへ誘導してくれる。
その優れたインストラクターのようなデザインを実現するためには以下の4つの原則を守ればよい。
1.翻訳する
専門用語や、外来語を使わずに「お客さまの言葉」へ翻訳すること。
お客さまは、知らない言葉を理解する努力などしないのだ。
2.具体的に
あいまいな指示をしない。「ここ」「こちら」「そっち」。こんな指示が通用するのは、デザインしたあなただけ。指示代名詞を使わずに、次に何をしてほしいのか具体的に示すこと。
3.明示的に
見えない(聞こえない)情報は永遠に伝わらない。明示的にインストラクションすることで、はじめて利用者は「何をすべきか」気がつくのだ。
4.間違いに配慮する
エラーページを一生懸命つくるくらいなら、その倍の時間をかけて、エラーしないようなデザインを心がけることだ。「間違えた場合」どうするか、ではなく、「間違えないようにするには」どうするかを常に考えること。
(ちなみに前出の書籍では44ページに記載)
何を当たり前のことを……。なんて思っている人も多いだろうが、驚くほど多くのデザインがこの原則を破っている。おかげで多くの利用者が泣かされているのが現実なのだ。
この4大原則を外さないデザイン(特にWebデザイン・コミュニケーションデザイン)が、目的達成・問題解決にはとても・とても重要になる。
ちなみに、デザインはユーザテストを通じて実証することが容易である。
この4項目を守れないデザインが、どれだけ多くの人の「失敗」を招いているかもっと多くの人が知るべきだろう。それは実に簡単なことで、自分のデザインを赤の他人に使ってもらうだけでいい。
再度言うが、デザインは重要だ。
企業と生活者の唯一の接点がデザインなのだ。
優れたデザインは、人を幸せにする。
優れたデザインは、社会を成長させる。
ホントのことだ。だからこそ、デザインに携わる人は、デザインの本質的な価値に着目してほしい。
投稿者 : 濱川 智 | 投稿日時 : 2008.03.18 16:29
発見こそが解決の源泉
2008.03.17
価値の高いアイデアを生み出す秘訣は
アイデアを投入する対象の“焦点を絞る”こと。
「問題の核心」を発見して、その問題の核心を解決するためのアイデアに全力投球する。つまり、枝葉末節な課題や事象に目を奪われず、本質に迫ることが価値の高いアイデアを創造する条件になる。
「この会社を何とかしてくれ」
なんていう曖昧な問題に対するよりも
「この会社の中途採用の人材育成について、効果的な教育カリキュラムを考えてくれ」
と対象を絞ったほうが、いいアイデアが生まれてくる。当然のことだ。
そのために、大切なのは解決すべき問題を絞り込むことだ。
問題の核心に迫るためには、結果に目を奪われることなく、百花繚乱の事象を巧みに編集して、原因を追究しなければならない。
そのためには、真の原因(問題の核心)を発見するために必要な情報を、正しく読み解かなければならない。そう、価値の高いアイデアを生み出すには、情報読解力を磨かなければならないのだ。
まあ、読解は○○くん、アイデアはボク。なんてチームで分業も可能だけど、やはり状況・情報を読解し、問題の核心を発見するまで情報を編集する能力があるに越したことはない。市場価値の高い人材を目指すなら、なおさらだ。
しかし、この情報の読解と編集に苦労する人がけっこう多い。
特にアイデア考えるの大好き人にとっては、この絞込みプロセスが肌になじまないらしく、苦労する姿をよく見る。
しかし、問題を発見することなく、問題を解決することはできない。
問題発見力の重要性が再び高まっているご時勢でもあるし、クリエイター(価値を生み出す人)にとって、問題発見力は必須の能力と考えたい。
となると、効率的な修得方法は何か?という話になる。
以前から、提唱している
発想⇒読解⇒編集⇒発想
という課題解決サイクル(調律式と呼んでいる)を自分のものにすることがベストだと思うけど、それだけではあまりにも大雑把すぎるので、以下の本を紹介したい。
大ヒット本なので、既読の人も多いだろうが、あえて紹介。
仮説を立てて(発想してから)情報を読み解く
なんてくだりは、上記の課題解決サイクルそのままだし、いろいろと気づきを得ることができると思う。
お試しあれ。
投稿者 : 濱川 智 | 投稿日時 : 2008.03.17 17:04
もぐらたたき的発想の悲劇
2008.03.12
先週末に「SPIN」という営業手法の研修を受け、一昨日&昨日は「インサイトマーケティング」の研修を講師として行った。
気がついた点は、SPINとインサイトマーケティングってすごく共通する、ということ。
SPINのコア技術は質問技法にあるのだけれど、SPINをものすごく端的に言うと
「顧客のニーズが分かるまで提案するな」
ということ。「ニーズがわからんうちに提案しても、売れんぜ」というシンプルな話。
インサイトマーケティングをものすごく端的に言うと
「顧客インサイトを軸にマーケティングシナリオをつくれ」
「インサイトをわからんうちにマーケティング活動しても上手くいかんぜ」
と、ほぼ同じ。
研修などで常々、「問題の核心」を発見する前に、アイデアを発想してはいけないと言っているが、SPINも「顧客のニーズ=問題の核心」を知る前に、「提案=アイデアの発想」をするな、という点でまったく同じことを言っている。
つまり真理なんだと思う。
しかし、人間は発想したがる生き物である。
これは、マーケティングの現場でも研修でも感じることだけど、「きっとこうではないか?」「こうかもしれない、ああかもしれない」という発想の応酬はとどまることを知らない。
しかし、問題の核心に迫ることなく応酬される発想が的を射ている確率は、悲惨なまでに小さい。とはいえ、問題に迫る前にいろいろアイデアが湧き出してくるのだろう。我慢できなくなり、口からあふれ出てしまうのだ。
そんな人たちは「もぐらたたき」をしているのだと自覚してほしい。
もぐら(困った問題)が出てきたら、とりあえずたたいておけ!という発想だ。
そんな人たちは、きっとこんな提案をしているに違いない。
「ご安心ください。もぐらたたきに最適な高性能のハンマーをご用意しました。これで従来より30%も速くもぐらをたたくことができます」
この提案にどれだけ価値があるだろうか?
問題の核心は「もぐらを庭に出さないこと」なのだ。
出てきたもぐらをたたくことが問題ではないのに。
投稿者 : 濱川 智 | 投稿日時 : 2008.03.12 09:14
新しいビジネスの種:知的資産の仲介
2008.03.07
いまや、Webサイトは資産である。
そう、Webサイトが単なる企業紹介の「ホームページ」だった時代ははるか昔。
現在では、ブランディング・販促・採用・調査など、企業戦略の中核を担う、れっきとしたマーケティング資産なのだ。
資産であるからには、相応の価値があるはずで、
価値があるからには売買されるはず。
よく考えてみると、当たり前のことだ。
だが、Web事業、Web事業会社の売買はあるが、「Webサイト」の売買は珍しいのではないだろうか。
そんな、意外な盲点に目を付けた、Webサイト売買の仲介企業がある。
サイトストックだ。
この企業のWebサイトには「Webビジネスの総合商社を目指す」という記載がある。なかなか面白い視点だと思う。
こうしたビジネスが出てきた以上、今後は、Webサイトを構築するだけでなく、戦略に合致したWebサイトを調達する流れができるかもしれない。
よくよく考えてみると、まっさらなWebサイトをつくって、一から集客するくらいなら、既にユーザや会員が付いているWebサイトを調達したほうがトクなケースなどごろごろしている。
戦略や戦術の制約(技術や予算など)もだいぶ緩和されるに違いない。
サイトストックに触発されたわけではないが、実はかなり前から、マーケティングプランに代表される、企画やビジネスアイデア のオークションをやりたいと考えていた。つまり、知的資産の仲介(売買)ビジネスだ。しかし、これが意外と難しい。
たとえば、Webサイトのように、目に見えるモノや会員などがあれば、売るほうも買うほうも価値がわかりやすい。購入後の運用コストも計算できる。
しかし、企画・アイデアなどの情報資産は、特許などの付加価値がないと、意外に価値をつけにくい。当たり外れもあるし、アイデアを形にする工程で価値が大きく変ってしまう可能性が大きいからだ。
しかし、優れた戦略や鋭い企画、面白いアイデアに対するニーズは非常に大きい。きっと、Webサイトよりもよっぽどニーズがあるのではなかろうか。
そもそも、Webサイトの売買(仲介業)が成立するなんて、「ホームページ」時代には誰も予見できなかったはず。しかし、いまでは堂々としたビジネスとして成立している。だから知的資産の仲介(売買)だって不可能ではないだろう。
例えば、研修などのアウトプットをオークションにかける、とか。そうすれば受講生のモチベーションも上がるし、研修から生まれた企画をより多くの人に評価してもらうこともできる。もちろん売買が成立すればベストだ。
知的生産にかける情熱が枯れないかぎり、そして、知的財産に需要がある(困っている)人がいるかぎり、知的資産の需給マッチングをマネタイズ(お金に替える)できる可能性があるはずだ。
なんてことを、久しぶりに考えてみた。
投稿者 : 濱川 智 | 投稿日時 : 2008.03.07 09:38





