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楽に成しうることはない

2008.01.08

24 -TWENTY FOUR-シリーズは、現在シーズン6までありますが、すべて観ています。

2時間前後で完結する通常の映画に比べると、24時間(正味19時間)の長大なスケールで描かれるストーリーはそれだけで1つの醍醐味です。

尺が長いぶん、登場人物もたくさん出てきますが、時間はたっぷりありますから、それぞれのキャラクターの輪郭はもちろん、その感情の起伏までもが丁寧に描かれているため、リアリティが生まれ、物語の世界にぐいぐい引き込まれていくのです。

これだけ長いと、通常の映画のような一直線の予定調和では間が持つはずもなく、従って、物語は常に複数の視点で進行します。

それぞれの状況の中で各自のエゴが錯綜し、ストーリー展開に影響を与えます。

一人一人の登場人物たちに同情したり反感を覚えたりしながら、彼らに下される物語の審判をじっと見守ることに。

ところどころで画面が分割し、複数の登場人物たちによる同時進行が提示され、ここで複数の状況を俯瞰することができます。

例えば、電話のシーンでは一方と他方とが同時に画面に現れます。どちらかがウソをついていれば、観客はそれに容易に気づけます。

「志村、うしろ!」の状態。

現実にはあり得ないシチュエーション、いわば“神の視点”です。

物語はこの「神の視点」と登場人物「各自の視点」とを織り交ぜて進行します。

そのブレンド具合が絶妙で、わかっていたつもりだったのにはぐらかされたり、重要なところは「各自の視点」に下ろされてしまって役者と一緒にドキドキさせられてしまいます。


日頃の“予定調和”に飽き飽きしている人には打ってつけのスパイスといえるでしょう。

人々を夢中にさせるには安心させてはいけない、ということがよくわかります。

人はそもそもスリルや恐怖を好むものでしょう。行動の原点は恐怖だから、どこかこれを求めてしまうのかも知れません。

逆に言えば、恐怖のないところに生きる価値はないとも言えるのではないでしょうか(言い過ぎ?)。

少なくとも、自己の欲求を犠牲にすることなく、何かを成し遂げることは不可能でしょう。


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投稿者 : 大橋 悦夫 | 投稿日時 : 2008.01.08 23:59

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