「今から見る未来」より「未来から見た今」
2009.06.07

『クリエイティブ・チョイス』p.98より
起業家であり、コーチのポール・レンバーグは、このように未来から振り返る方法を「マーリンメソッド」という名前で紹介しています。この方法では、仕事を計画する際に「成功裡に終わった将来」から次のような問いを発します。
- この戦略を実施するにあたり、どのような能力が必要だったか?
- あなたの会社はそのような能力をどこで身につけたか?
- 目標を達成した今、自分の会社をどう思うか?
- 目標を達成した今、自分の置かれた市場をどう見るか?
- この目標達成は何への出発点となるか?
- ほんとうに目標を達成したかどうか、どうやって判断できるか?
「ゴールから逆算して計画を立てよ」とはビジネス書で頻繁に語られる処世訓ですが、これを実践する上で役に立つのが上記のマーリンメソッドと呼ばれる質問リスト。
レディネス(readiness)という言葉を思い出します。学習分野の専門用語ですが、この言葉の意味するところは、知識を積み上げていく過程で避けて通ることのできない特定の状態。
たとえば、小学生が九九を暗記するうえでは、当然、数字の基本(書き方から加算・減算まで)が理解できている必要があります。九九が暗記できれば、その上に2桁の数字同士の掛け算を積み上げていくことができますし、その先には、式の展開や因数分解もあるでしょう。
そうなると、最終的な到達点から「今」を(想像しながら)振り返ることで、その過程における必要なレディネスが明らかになるでしょう。
「この時までに○○になっているということは、その前に□□しておく必要がある。となると、今すぐに△△を始めなければならない!」といった具合です。
今やろうとしていることは未来から見てレディネスですか?
とても中身が濃い書籍。
思考の原則や方法がわかり易い解説本
選ぶという固定概念を開放してくれます投稿者 : 大橋 悦夫 | 投稿日時 : 2009.06.07 23:59
「何でだろう?」より「何だろう?」
2009.06.04

『クリエイティブ・チョイス』p.91より
「Wisdom Access Question(WAQ)」=「叡智を引き出す問い」とでも訳すべき質問の方法を、コーチの方から教わりました。印象的な言葉なので調べてみたところ、ローラ・バーマン・フォートガングという方の造語のようです。WAQを作るには、“Why(Whose)”ではなく、“What”で問いを立てます。
ということで3つの例が挙げられています。
- どうしてこんな目に遭うんだろう?
→ これを切り抜けるために何をすることが必要だろうか? - どうして彼女はあんなことをいったんだろう?
→ 何が彼女にあんなことをいわせたんだろう? - だれの失敗だ?
→ 何が解決策なんだろう?
あれこれと思い悩む時というのは、知らず知らずのうちに「どうしてこんなことになっちゃったんだろう?」と、過去に意識の矢印が向かいがち。でも、過去はもはや変えられませんから、「これが原因だったのか!」と合点がいっても後の祭り。
もちろん、今後の再発防止には役に立つかもしれませんが、そうであれば最初から今後のこと、すなわち未来にフォーカスしたほうが話が早いでしょう。
人とのコミュニケーションにおいても「いったいどうして?!」と詰め寄る代わりに「じゃぁ次は何をしようか?」と“駒”を進めるほうが建設的かつ生産的な議論ができそうです。
「どうしてこんなことになっちゃったんだろう?」という問いが頭に浮かんだら、すかさず「(現状を打破するために)まだやっていないことは何だろう?」という問いに切り替えてみる。
とても中身が濃い書籍。
思考の原則や方法がわかり易い解説本
選ぶという固定概念を開放してくれます
投稿者 : 大橋 悦夫 | 投稿日時 : 2009.06.04 07:00
目先のパッション、彼方のウィッシュ
2009.06.03

『クリエイティブ・チョイス』p.82より
- 紙の真ん中に縦に線を引いて、左半分に「WANT」と書き出します。新しいレンズや地中海の別荘など、何でもかまいません。
- それらの右側に「FEEL」、すなわち「WANT」が手に入ったときに感じるであろうことを書いていきます。新しいレンズの右隣には「プロフェッショナルとしての自信」、別荘の右隣には「ゆったりした気持ち」など。
- 書けたら、紙を真ん中で切って、「WANT」のほうは捨ててしまってください。
- 手元に残った「FEEL」を眺めます。今度は「FEEL」のほうから発想します。プロとしての自信に満ちたカメラマンで、ゆったりした気持ちになれる、そういう気持ちにさせてくれるものって何だろう? そのようにオープンに考えると、「FEEL」に近づく方法はいくらでも沸いてきます。
上記のリストは、
ナショナル・ジオグラフィック誌に写真を提供していた元カメラマンで、今は創造性についての講演などを行っているデューイット・ジョーンズが「THE WANT LIST」と名付けて、ある雑誌向けの記事に書いていたものとのこと。
確かに手段に縛られて目的を見失うことはよくあります。
どんな「FEEL」を求めて「WANT」しているのかを改めて考えてみることは、「WANT」のための「WANT」という手段の目的化に陥らないようにするうえで役に立ちそうです。
試みに、いくつかリストしてみます。
- 新しいノートPC(WANT) → 今より軽量なのでストレスも軽減された状態(FEEL)
- ビジネス書をたくさん読みたい(WANT) → 行動がシャープになる(FEEL)
- 映画をたくさん観たい(WANT) → 人の心理状態に敏感になる(FEEL)
- 安定した売上(WANT) → リラックス(FEEL)
このうち「FEEL」だけを取り出すと、
- 今より軽量なのでストレスも軽減された状態(FEEL)
- 行動がシャープになる(FEEL)
- 人の心理状態に敏感になる(FEEL)
- リラックス(FEEL)
低ストレスで行動に無駄がなく、人の心を読んで、リラックスしている。
・・・仙人?
まぁ、仙人とまではいかないまでも、自宅に居ながらにして仕事が回る状態は目指し続けているところではあるので、大きくは外れていないと思います。
「WANT」に振り回されることなく、その先にある「FEEL」にフォーカスしていきたいですね。
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思考の原則や方法がわかり易い解説本
選ぶという固定概念を開放してくれます
投稿者 : 大橋 悦夫 | 投稿日時 : 2009.06.03 22:34
「我まん」してがんばる?「我がまま」にがんばる?
2009.06.02

『クリエイティブ・チョイス』p.69より
聞き手が語り手の問題意識を「我がこと」として感じたとき、聞き手は語り手に「共感」します。聞き手が、この「我がこと」は「皆のこと」でもあると感じたとき、聞き手は語り手の「大義」を感じます。このようにして、聞き手は語り手個人の問題意識が社会的・事業的なインパクトを生み出し得ることに気がつくのです。
逆に「これは皆のためになる!」と意気込んで始めても、空振りすることがある。滅私奉公に論功行賞が及ばないこともある。むしろ「やりたいからやる!」というパッションで突き進んだ方が、望む結果を従えることは少なくない。
この違いは、「捨て身の覚悟」と「死にものぐるい」、それぞれの原動力の違いで説明できる。前者は誰かのために身を捨てる悲壮な決意であり、後者は己の誇りを賭けた勇壮な決断である。もちろん、ニュアンスの違いであり、人によっては逆の解釈もあるかもしれない。
いずれにしても、いま取り組んでいることに迷うことなく死にものぐるいになれるのなら、そのまま突き進んでしまえばいい。少しでも迷いがあるなら、すなわち、自分で自分に共感できないのなら、最初にして最大の支援者である自分自身を敵に回すことになり、袋小路の負け戦を強いられる。
同書に次のような勇壮な事例も紹介されている(p.62)。
たとえば「リヤカーマン」こと永瀬忠志さんは、文字どおりリヤカーを引いて地球一周四万キロ以上を歩いている「わがまま」な人です。ただただ「わがまま」に歩いていたら、50歳を目の前にした2006年に「若い人に夢を与える」という理由で植村直己冒険賞を受賞しました。
まずは、己を生かす“指し手”から。
とても中身が濃い書籍。
思考の原則や方法がわかり易い解説本
選ぶという固定概念を開放してくれます
投稿者 : 大橋 悦夫 | 投稿日時 : 2009.06.02 23:59


