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パッション

2006.04.25

先日、一緒に仕事をさせていただいているパートナー企業で打ち合わせがありました。昨年から進めている業務に関するもので、主担当のOさんと、この4月から中途入社したHさんの3人で行われました。

Hさんには初めてお会いしたのですが、おそらく私よりも若く(27歳くらい? って年上だったらどうしよう…)、まだ転職してきたばかりという雰囲気でした。今までは主担当のOさんと2人で取り組んできたのですが、Oさん自身は他の業務と掛け持ちのため、なかなか前に進められずに苦悶していました。

そんな折、4月からHさんを迎え、彼が専任でゴリゴリ押し進めてもらえることになったこともあり、Hさんの「面通し」も兼ねての打ち合わせだったわけですが、ちょっと「むむむ?」と思うことがありました。

それは、Hさんが今回の打ち合わせのために作った「今後の業務の概要資料」を説明をしてくださっていた時のことです。確かにその通りだと思うし、そういう方向で進めれば良いよね、と3人でも頷きあってはいたのですが、何というかその資料がまっとうすぎる、というか、もっと言えばHさんの「オレがやるんやで!」というパッションが薄いように感じたのです。

Hさんが前職でどんな経験を積まれたのかは聞かなかったのでわかりませんが、彼なりに何らかの目的なりやりたいことなりがあってこの会社への転職を決めたはずですから、極端に言えば言動1つ1つに、あるいは作る資料1枚1枚に彼なりの思い入れのようなものが入っていても不思議ではないと思うのです。

言われたことをやるよりもやりたいようにやる方が絶対に楽しいはずですし、そうであってこそ自分がやる価値があるというものです。作った資料を見せて「あぁ、なるほど。それはいい感じだね」と言われれば安心できるかも知れませんが、それでは越えるべきハードルが一切ない“平坦な直線コース”に過ぎないでしょう。そういう、他の人がやっても同じ結果になるようなオンビンなやり方よりも、「えー、ホントこんなことできるのー??」と人を不安がらせるぐらいの方がきっとやりがいがあるはずです。

そんな思いがあったので、差し出がましいとは思いつつ、

 「で、Hさんとしてはどういう風にしたいんですか?」

と質問してみました。ある程度は予想していたのですが、やはり、

 「まだ入って1ヶ月たっていないので、とりあえずやりながら考えてみます」

という回答でした。ちょっと煮え切らない感じなので、さらに食い下がって、

 「うーん、何というかHさんのこの仕事に対するパッションみたいなものってありませんか? 誰もが認めるあるべき姿ではなくて、Hさんなりに思い描いていらっしゃるゴールというか…」

資料を見つめながらしばし沈思黙考に入ってしまったHさんを前に、初対面の人に何言ってんだオレは…、と思いつつ待っていると、

 「…あぁ。そうですね。言われてみれば、確かにあまりそういうことは考えてなかったです」

 「僕らはすでにいろいろやってきている分、確かにいろいろわかっている面はあるんですが、逆に言えば、知らない時の気持ちで考えることが難しいんですよね。その点、Hさんならフレッシュな気持ちで考えられるはずなので、僕らが思いつかない視点で何かアイデアを出していただけるんじゃないかと思うんです」

 「なるほど」


事情がわかる人同士で仕事をする方が効率が良い場合もありますが、今回のように異なる経験を持った人が集まって一緒に仕事をすることによって初めて得られることというのもあるのではないかと思っています。上からの物言いっぽくて本当に厚かましい限りなのですが、今後のHさんとの仕事がどう進展していくのかが楽しみです。

投稿者 : 大橋 悦夫 | 投稿日時 : 2006.04.25 23:44

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