「内証の話」というのは秘密を誰かに
2010.03.19
「内証の話」というのは秘密を誰かに—しかし特定の人のみに—伝えるということである。秘密は本来守るべきものでありながら、案外広がってゆくものである。
河合隼雄『影の現象学』より
秘密というのは、なかなか不思議なものだ。ここで河合は有名な『王様の耳はロバの耳』について論じているのだが、不幸な床屋はこの秘密の保持に耐えられず、病気になってしまう。
秘密を意図せずに手に入れるのが、床屋というのも興味深い。私は理容師・美容師が人々の色々な秘密にけっこう通じているだろうと、髪を切られるたびに思うことがある。理髪とカウンセラーはぜんぜん違うようで、ちょっと似たようなところがある。
カウンセラーや臨床家は、もちろん「内証の話」を聞く機会が多いはずだ。王様の耳がロバの耳だと知った床屋の「カウンセラー」は「穴」だったが、「穴」からは音が漏れないから「秘密」を吐き出すことができるわけだ。アメリカでカウンセリングを受けたときには、防音壁に守られた「穴ののような部屋」で「秘密の告白」をさせられたものである。
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投稿者 : 佐々木 正悟 | 投稿日時 : 2010.03.19 23:03
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