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「精神疲労」と「心的飽和」

2007.11.02

さして難しくない作業でも、全く同じ作業を延々繰り返させられていたら、なかなかモチベーションを保つことが容易ではなくなります。ルーチンワークを繰り返すうちに、質が低下し、ストレスに感じられること。

これを、心理学用語では「心的飽和」(psychical satiation)といいます。

当然これは、産業心理学の分野において、なかなか重要な概念です。この分野の専門家としては、レヴィン、カルステンといった名前があがるのですが、歴史的にはかなり古い研究で、1920年代までさかのぼることができます。

ところがこれよりさらに昔、1907年までさかのぼると、これに似たような研究を、日本人の女性がしていたというちょっと驚かされる事実がありました。

原口鶴子さんという方で、1907年にコロンビア大に留学し、エドワード・ソーンダイクのもとで「精神疲労と学習」をテーマとして博士号を取得したようです。

精神疲労mental fatigueの邦訳だと思います。論文を読んでいないので何とも言えませんが、この概念は「心的飽和」の概念と、よく似ているはずです。

これは経験的には誰もが知っているものです。断続的に同一作業を延々繰り返させられたのでは、ほとんどの人が強いストレスを感じてしまいます。

でも実験的に例証されているというのは、重要です。なぜなら、精神疲労や心的飽和のストレスを感じたとき、その理由を詮索せずに済むからです。これは、同一作業を繰り返させられることによる、モチベーションの衰退が原因にあると言えるのです。

では対策は?

勤め人にとって、勤めている先でさせられる業務がルーチンワークのカタマリである場合、究極の対策は転職しかないでしょうが、レヴィンによれば、業務内容や手順をわずかに変えるだけでも、「緊張感が高まる」ことで「モチベーションもアップする」そうです。

しかしそういったわずかな工夫も許されておらず、転職もできないという人の場合には、業務以外でのストレス対策を工夫する方が現実的でしょう。

投稿者 : 佐々木 正悟 | 投稿日時 : 2007.11.02 13:05

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