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PCとのじゃんけんにまで気をつかわない

2007.12.20

人間が感じるストレスというものは、対人関係から来るものがとても多いのは、皆さん経験的にご存じの通りです。

その理由のひとつとして、人間は、ある現象が人間を原因としているものなのかそうでないかによって、反応や態度を変えるということがあります。

そもそも相手が人間かどうかを感知する前に、相手が生物が無生物かを認識します。頭上から鳥の糞が降ってきたのか、ハチが自分を襲っているのかでは、対応の仕方を変えなければいけません。

鳥の糞ならとにかくよけるべきですが、ハチならむやみに動かない方がいいかもしれません。意志を持つものと持たないものとでは、予測される動きが全然違います。

中でも人間は、色々なことを「やって」きます。行動パターンを読んで対応していても、今度はこちらが「読んでいる」ことに気がつき、相手はそれを逆手にとるかもしれません。競争はエスカレートし、心労も増大します。

心理学の実験で、PCとじゃんけんするというゲームがあります。被験者のグループを二つに分け、一方のグループにはPCとじゃんけんしていると教え、他方のグループには、画面の向こう側には人間がいると告げました。オンライン型対戦ゲームだと偽ったわけです。

どちらの場合も実際には相手をしているのはPCで、じゃんけんはランダムで行われたのですが、勝負をした人間の頭の使い方は変わりました。相手が人間だと言われると、「次の手」や「パターン」を読もうとするわけです。

このとき活性化されたところは、前頭葉の内側のところです。こういう部分を使うときには、必ずと言っていいほど、リスクに対する予測がからんできています。

人が他人の心をおもんぱかったり理解しようと努めるのはよいことだと思いますが、私たちはしばしば行きすぎてしまうようです。これは実験であり、被験者はいわばだまされていたわけですが、大した意図のないところに意図を深読みしてしまうことは、現実にも少なくありません。

でもそれをやってしまうと、脳の中の比較的ハイスペックな場所を過剰に働かせる結果となります。「心を読む」のはきわめて高度な知的活動です。この機能の過剰使用を控えるだけでも、少しはストレスが軽くなるはずです。

投稿者 : 佐々木 正悟 | 投稿日時 : 2007.12.20 16:40

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