「防衛機制」について「臨床心理的見地から」説明せよ
2009.10.12
今週から「臨床心理ノート」はこちらのブログで書くことにしました。第3回目です。
すでにライフハック心理学で書きましたとおり、当面は、「模擬テストの例題」を中心にアップしていきます。
この問題の背景に、知っておくべき知識が控えています。その周辺の事情まで詳しくなった方が、「やるべきことが分かるし言うべきことも明らかになる」のは、もちろん言うまでもありません。
【問題】
「防衛機制」について「臨床心理的見地から」説明せよ
【方針】
「防衛機制」について知っていなければならないことと、この手の問題で面倒なのは、「臨床心理的見地から」という条件が加わっているところでしょう。
この点に配慮して「定義」する必要がありそうです。 テストというのはけっこうコミュニケーション能力も発揮しなければならないところがあって、短い設問文のなかの言葉をさらに削り落としてしまうと、心証を悪くしてしまったりするから損です。
また、「防衛機制」については、フロイトの方だけではなく、クラインの「原始的防衛機制」について言及した方が無難です。その上で、「認知行動療法」などの話にまでつなげられれば、万全でしょう。
▼「臨床心理的見地」について
・なにがしかの心理的不適応、心理障害などの「問題」を「解決する」という立場で考える
というわけなので、「防衛機制」は一般的な自我の機能で、それ自体は問題ありません、というだけでは不十分でしょう。これだけだと、「適応機制」の説明だけに終わってしまった、と思われそうです。
「防衛機制」が問題となるのは、機械的に同じ種類のものばかりが用いられたり、何ら現実への適応に資しいないと思われる場合です。これも具体的に考えておくと、色々なことを思い出すのに役立つでしょう。
たとえば何につけても「反動形成」で対処するというのは、すでに不適応の表れとみなされそうです。
▼「防衛機制」について
・「防衛機制」とは自我の安定を図るために不快な体験を弱めたり避けたりする心理的機能
この用語を始めて用いたのは、アンナ・フロイトとされます。父のジークムント・フロイトではないことに一応注意。ただしもちろん、概念的にはS・フロイトが先に明らかにしたと考えるのが妥当。
フロイトの「防衛機制」には10種類上がっているが、全部暗記するのは面倒でしょう。ただその「すべて」が、羞恥心、不快感、不安などが意識化するのを阻む目的で機能することになっているので、自分に照らしていちいち探っていくと、覚えやすいかもしれません。
・「原始的防衛機制」はメラニー・クラインの提唱した概念
その名の通り、もっと「プリミティブ」な「防衛機制」で、早期乳幼児の「防衛機制」について考案したもの。特に自己愛、境界性人格障害などの説明によく用いられています。
▼追記
・「認知行動療法」との関連
基本的に「防衛機制」と言えば「精神分析学派」からの概念ではありますが、近年では、「ストレスコーピングとしての防衛機制」という観点からも検討されています。
どのような防衛機制をどのように用いるかは、人によって様々でしょうが、その用い方から自我の強さや傾向を知り、適切な用い方をアドバイスするという方法もあるようです。
▼参考図書
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投稿者 : 佐々木 正悟 | 投稿日時 : 2009.10.12 21:22




