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たとえば彼は、女性は男性よりも歯の数が少ないと信じていた。

2010.04.30

アリストテレスは自然現象の鋭い観察者だったが、実験をする、すなわち推測をしてそれを系統的に検証するという発想は持っていなかった。たとえば彼は、女性は男性より歯の数が少ないと信じていた。この説が正しいことを実証する、あるいは反証をあげるつもりがあれば、ある程度の数の男女に口を開けてもらって歯の数を数えるだけでできたはずだ。

『脳の中の幽霊』より

 

このエピソードをラマチャンドランがあげているのは、アリストテレスがアホだったと言いたいからではなくて、実地に検証してみることの重要性を強調しているに過ぎない。

私たちはおよそ「確かめてみる」という手数を省きたがる。その代わり、思い込み、信じ込み、鵜呑みにすることを好む。理由の一つには、手間と暇を節約するためであって、それには少なくとも一理ある。

学者でもない限り、ワシとタカとは別の鳥だと思い込んでいたとしても、あるいはイルカとクジラはちがう「サカナ」だと思い込むようなことがあっても、 実生活に支障を来すことはあまりないからだ。

一般的な生活の「役に立つ」かどうかという意味では、多くの知識が役に立つのは「クイズに正解できる」程度であって、トリビアなのだ。

そうであっても人は常に「より多く、より正確に、知っていることはいいことだ」と思っているが、でも多大な苦労をしてまで「本当のこと」を知りたいと思う人は多くはない。 

逆に言うとだから、ちょっとしたことでも調べてみると、かなり意外な発見がありうる。

 

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投稿者 : 佐々木 正悟 | 投稿日時 : 2010.04.30 23:23

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