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彼は奇妙な癖を持っていた

2010.01.29

彼は奇妙な癖を持っていた。だが、友人の誰ひとり、正面切ってそのことについて尋ねようとはしなかった。

—ジェームズ・ボスウェル サミュエル・ジョンソンについての伝記の中で 

 

 

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この奇妙な癖とは、今ならば「強迫神経症」と診断されるものだ。人に彼の行動は「迷信的」に見えた。ドアや戸口を通るときには「細心の注意」を払う。決まった歩数で、決まったところで曲がり、決まった格好で歩く。

儀式めいた行為を特定の行為の前に繰り返すのは、そうせずにはいられなくなるからである。ごく普通の人も、極端に緊張させる場面に出くわすと、 妙な行動を取り始める。

 手をさするとか、あごに指をやるとか。他人には、それが何の役にも立っていないような、どちらかと言えばやらなければいいようなしぐさだが、本人にとっては必要かつ自然な行為なのである。それにより不安は和らぎ、多少とも落ち着いて「厳しい場面」に臨むことができる。

なぜかそういう「厳しい場面」が世の中の至る所に顔を出してしまうという状態になるとやっかいだ。たとえば「異性」を前にすると緊張が増大する人にとって、「儀式的なしぐさ」を繰り返さなければならない場面は数多ある。 

投稿者 : 佐々木 正悟 | 投稿日時 : 2010.01.29 17:48

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