痛みや気分や願いが、それを抱く人間なしに、勝手に世界を
2010.03.01
「痛みや気分や願いが、それを抱く人間なしに、勝手に世界をうろつくなどというのは、不条理に思える。経験は経験者なくしてはありえない。内なる世界は、その内なる世界の主人たる人間の存在を前提とする」
-ゴットロープ・フレーゲ 『赤を見る』(ニコラス・ハンフリー著)の引用より
『赤を見る』とは、小説のタイトルのようだが、これは象徴的な意味ではなく、そのものずばりの問題を主題にした心理学書。
あるいは神経科学読本。または哲学書。
こういうテーマに取り組むということ自体、アメリカの心理学の学部生あたりには許されていない。許してくれる教官もいたが、それは放置してくれるというのと変わらない。
けれども、「哲学的にではなく」、こうしたテーマに取り組みたいと思っている認知科学、または認知神経科学者(の卵)という人は、大勢いるのだ。
素人くさく言えば、自分が研究したいと願っているテーマを勉強できないのなら、研究者というのは何なのだろう。自分のひきたい演目を一度も演奏せずに終わるピアニストというようなものだ。
世界的にも有名な、アントニオ・ダマジオがどこかで告白していたが、彼は自分がやりたいと思う研究テーマのことを思う存分本に書けるようになるために、やりたくもない研究を非常に効率的にこなしてきたという。
| 赤を見る―感覚の進化と意識の存在理由 | |
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投稿者 : 佐々木 正悟 | 投稿日時 : 2010.03.01 17:50
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