TOP > スペシャルコンテンツ > CTOインタビュー > news2u平田氏 > 第11回(3)news2u平田氏「日本にブログサービスを普及させる日々」
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2007.10.18
第11回(3)では、株式会社ニューズ・ツー・ユー取締役の平田大治氏がブログに出会い、Six Apart社に参加して日本でブログサービスを展開・普及していく過程、そして投資会社としてさまざまな会社も見てきた平田氏ならではの、「CTOとは」「いい会社とは」をお伺いします。

■投資完了後の平田さんとSix Apart社さんとの関わりを教えてください。
投資完了後は、投資会社として投資先サポートという立場でSix Apart社とのお付き合いが始まりました。アメリカでも立ち上がったばかりという状態なので日本市場については全くの手付かず、だけど確実に日本でのチャンスは拡大していました。実際Six Apart社にも日本の企業からのコンタクトがありました。
その中でも特に大きい話が、ニフティさんでした。僕は日本側で、実際の契約詳細の締結や導入に関する交渉を担当していました。でも、途中で明らかに自分ひとりでは無理だと気づきまして。(笑)インターネットサービスプロバイダーでブログサービスを立ち上げるというプロジェクトで、契約関連はもちろん、今までと規模感も違い、言語の違いもあり、しかも、当時、米国でもまだリリースされたばかりのTypePadを導入するということで、仕事が山積みでした。そこで、日本で人を集めてプロジェクトチームを作り、なんとか日を目を見ることができました。ニフティさんのココログの成功により、日本でのSix Apart社の認知度も上がりました。
■その後、平田さんはSix Apart社自体に入社されますね。
その頃、ネオテニーはインキュベーターの看板はおろして、ベンチャーキャピタルのような投資スタイルに変更していました。ベンチャーキャピタルでは、投資実行のときに特に大きな労力を必要としますが、投資実行中は、投資先のフォローアップ期間となり、この間、どれくらいの手間をかけるかは投資案件や会社方針によります。当時のネオテニーではこの期間にあまりコストをかけない方針となっていました。ネオテニーは、Six Apart社の投資完了とともに、新規投資を取り止めて、会社縮小、具体的には、全社員辞めることになりました。そんな折、一番関わりの深かった、Six Apart社に移籍のような形となりました。
■シックス・アパート株式会社では、技術担当執行役員ということでしたね。
はい。日本法人のCTOのような仕事です。アメリカ本社でも立場があって、肩書きは、Vice President Of Techlogyです。CTOは別にいますからね。アメリカ本社では、グローバル展開時のアドバイスや、日本からの要求事項の取りまとめなどをやっていました。
■投資会社から、技術会社の技術担当になってみてどうでしたか。
僕は技術知識については深くはありません。もともと小さい頃からプログラミングに興味があったことと、インターネットやブログは比較的新しい技術であったことで、広く浅く知識を習得することで何とかなりました。とはいえ、Six Apart社では、手を動かして実際にコーディングや、システム設計、パフォーマンス調査などもやっていました。
■CTOとしてはいかがですか。
CTOはよく誤解されがちですが、僕の中のイメージでは「技術に軸足をおいて決定」をする人です。加えて役員は、「会社としてどちらの方向に行くかの経営的判断」を求められます。もちろん、技術に精通していたほうが正しい「決定」に近づけられるという考え方はあります。CTOの決定とは、例えば、システムの投資計画立案の際、「何があればできるかを技術的に考える」だけではなく、「今年の会社目標がこれくらいだからまずこの範囲は必要。来年再来年の目標からすると、これくらいの拡張性の用意が必要。よって今年は何をどれくらい購入するか」と決定するということです。これに、期限や、予算などの観点も入ります。
■CTOには技術力は必要ですか。
技術力はあったほうがいいです。ただ、できないことを「技術」で解決するのではなく、「社会的」に解決する、たとえば開発する機能を交渉したり、予算を取ってきたり。テクノロジーを扱うということは、テクノロジーに長けているだけではないと思います。
■そして現在は株式会社ニューズ・ツー・ユーの財務・管理担当取締役ですね。
3年ほどSix Apart社で頑張って働いて、会社も順調で2003年には数人だった会社が今ではグローバルで150人という規模になりました。そこでいったん区切りをつけることにしました。
■株式会社ニューズ・ツー・ユーさんとはどういうつながりですか。
たまたまある方に紹介されまして、この分野はこれからも伸びる要素がたぶんにあると思いました。最初は社外勤取締役として会社をよくするアドバイスをしていましたが、この春に、経営体制を変えるということで取締役を探していました。財務・管理担当役員はなかなか決まらず「なかなかいないねえ」と僕を見るので・・・。
■お引き受けになったんですね。
会社としていい方向を向いていると思いますし、僕でいいなら、と決めました。なかなかできる仕事ではないですしね。
■いろいろな会社を見てきた平田さんからみていい会社とは何ですか。
僕の持論では、日本のベンチャー企業の創業時のメンバーは、相当クレイジーだと思っています。Six Apart社の場合も、2003年12月時点では、アメリカ本社に社員が5人、お客もファンもアメリカにはいるけど、世の中の人はブログがビジネスになるなんてほとんど考えていない、という状況です。そこで「うちの会社に来てください」と言っても、優秀な人は、普通来ませんよね。
■ではどうすれば来ますか。
その状態ではリスクがあるから、ベンチャーキャピタルからお金を出してもらって「そのリスクに対してこれだけの給料を払いますから来てください」と言ってはじめて「給与のある間は働きます」って言う人が来るということだと思います。だとしたら、創業時のメンバーというのは、「このビジネスは最高だ!」という想いが強いか、創業時の足りないものが多すぎるというリスクが取った人たちなので、高いリスクをものともしない、クレイジーな人と言えます。
■後から来る人たちというのは。
会社がうまく回って安定してくると、リスクが減ります。なので、クレバーな人たちが、会社の経営状況や実績をみて、自分の取れるリスクだと判断して入社してきます。給料も出るだろうし、出資元もあるしと。そうなると会社にいる人の種類も変わってきます。リスクがどんどん低くなると、給与が増える要素や、ストップオプションのようなことへの期待値も下がってきます。当然リスクが小さいのでリターンも小さくなります。
■創業時と、安定期はそこで働く人の志向が違うということですか。
最初はハイリスクハイリターンすぎるので、とんでもない人たち、その後すごい勢いで、ローリスクローリターンな人たちが集まってくる。この期間はほんの数年です。
■数年ですか。
何がいい会社かというのは正直わかりません。でも、自分にあった時期というのは当然あるでしょう。僕にとっては、安定期の大企業で、自分の力ではどうにもならない環境を経験して、それは好きではないと感じました。
■いい会社というのは、会社の成長フェーズにおける好き嫌いであるということですか。
そうなりますね。良し悪しではなく、好き嫌いです。それで儲かっていれば、次のフェーズにいけます。儲かっていなくても資本収支があえば。
■利益がでることは大事ですか。
いや、それは、判断する人によって違いますね。僕なりの判断基準でいうなら、よい会社とは、働いている人が気持ちよくて、雰囲気のよい会社です。雰囲気のよい会社で、気持ちのよい人たちと楽しく働いたらきっと儲かるはず・・・なんですけどね。世の中そんなに簡単じゃないでしょうけど。
■会社の規模とかは関係ありませんか。
会社のサイズよって、スピード感や、カルチャーの変わり方ということはあると思います。大きい会社にはすでに出来あがった文化があって、それが心地良いと思う人がいればそれはその人にとって良い会社なのだと思います。
次回10月25日up予定
第11回(4)「エンジニアにとって大切なのは、自分の腕を磨き続ける余裕」
株式会社ニューズ・ツー・ユーの展開するサービス
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投稿日時 : 2007.10.18 09:28
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