TOP > スペシャルコンテンツ > CTOインタビュー > news2u平田氏 > 第11回(4)news2u平田氏「エンジニアにとって大切なのは、自分の腕を磨き続ける余裕」
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2007.10.25
いい会社とは、良し悪しではなく好き嫌いであり、その尺度はその人によるとおっしゃる株式会社ニューズ・ツー・ユー取締役平田大治氏。第11回(4)最終回は、「エンジニア論」、「リスクを取るとは」、「ブログはこれからどうなる」の3本をお届けします。

■平田さんのエンジニア観を教えてください。
テクノロジーやエンジニアリングの世界で生きていく人が大切にすべきことは、自分の腕をどう磨いていくか、またその磨いた腕をどう評価してもらうかということです。この業界は、結局は、自分の技術力、腕一本の世界というところがあります。なおかつテクノロジーは短時間で簡単に身につけることはできません。
■そうですね。
通常は、テクノロジーで生きていこうと思ったら、それぞれの基礎をどこかで身につけなければ、仕事にエントリーすらできません。がんばって身につけたスキル、知識を使い捨てされると、エンジニアにとっては辛いです。いきなりジョブチェンジを迫られても、基礎がない分野はいちからやり直しになります。だから、腕をきちんと磨ける状況を維持できるための、時間や資金を確保しておかなければいけません。
■自分の腕を磨き続けるための時間と資金ですか。
はい。自分が次のステップに行くためには、会社がそのことに理解があることも大事です。それから、エンジニアが自分の腕をふるって会社を伸ばしている時は、その分のリターンがエンジニアの手元に入る仕組みも必要だと概論的に考えています。
■次のステップというのは何でしょう。
自分が何をしていきたいかということですね。エンジニアでずっとやっていくには、どんどん変わっていく技術を身に付け続けること、マネジメントがやりたければ、機会を得て経験を積むこと。いずれにせよ変わっていくには変わっていくための余裕が必要です。自分が何になりたいのか、なるための余裕をどのように確保するのか、これは自分でリスクを取る必要もあります。
■リスクも踏まえて、自分で選択することが必要ですね。
変化に対応していく仕組みを、会社の仕組みとして維持するのが難しくなっています。そういう意味ではベンチャー企業などは飛び込みにくい環境にありますね。3年間は会社のために腕をふるおうと思って飛び込んでも、3年後に自分が何かできるかはわかりません。会社もないかもしれない、あったとして同じ仕事があるか、もしくは自分のスキルセットで雇用し続けてもらえるか、転職しようにもマーケットバリューもわかりません。そのとき、ジョブチェンジするだけの余裕があれば、もう一回チャレンジができるけど、なければデススパイラルに陥ります。だからそうならないように、自分はもちろん、会社としても、腕を維持していくための配慮が必要ですね。
■将来のことを考えて腕を磨くことは現実的に可能ですか。
この業界はマーケットを読むのが難しいですよね。今はブログもいいけど、変わるかもしれません。
■移り変わりが早いですね。
エンジニアは数年おきに新しい技術を学ばなければいけないということです。HTMLひとつとっても、今はCSSとXHTMLができないとHTMLコーダとしては雇用できないといきなり言われてしまうわけです。時間のある若者が、勉強して会社に入り、会社で腕をふるって、うまくいっている間はよいですが、うまくいかなくなった瞬間においていかれます。代わりに、時間のある若者が、次の技術を身につけて会社に入る、この繰り返しです。
■その繰り返しは会社にとってもエンジニアにとっても損失ですね。
自分がその道でいくと決めたなら、数年ごとに、その状態を乗り越えていく必要があります。
■自覚して腕を磨く必要があるということですね。
それから、会社への貢献とのバランスが大事です。陥りがちなのは、新しい技術を身につけるために勉強ばかりに時間をかけて、仕事する時間がなくなるケースです。会社からすれば、社員が最先端を追いかけるだけだと、それを維持し支え続けることはできません。どこかで会社の生産性につなげ、生かしていかないと。その切り替えは非常に難しいですね。
■最後に、エンジニアへのメッセージを下さい。
「目の前の仕事をきっちりやるしかない」ということです。僕は、ひとつひとつの仕事をきっちりやってきたつもりです。目の前の仕事をきちんとできないのに、一足飛びに周りの人が驚くようなすごいものには至りません。それから、自分がやっていることをきちんと評価することと、人がやっていることと自分がやっていることを客観的に比較して見ることも大事ですね。エンジニアだけに限りません。
■ビジネスマンなら誰にでも当てはまることですね。
大学の先生がおっしゃっていた話があります。「君たちは自分が思っているほど頭がよくないから謙虚に目の前のことをきちんとやりなさい。でも人に思われているほどは馬鹿じゃないからそんなに卑下することもありません。」といった趣旨でした。
■なるほど、自分の目線と、周囲の目線ですか。
人が自分のことをきちんと評価してくれてないとするなら、それはプレゼンテーションが足りていないか、本当に自分の実力が足りてないかどちらかです。
■頑張ればわかってくれるとか、言えばわかってくれるとかではなく。
周囲にわかってくれる人がいればよいですが、常に周囲の理解力の高い環境で働けるとは限らないし、相手に期待ばかりしていたらリスクが高いじゃないですか。そこは相手に期待するところではなく、自分が相手に合わせてあげるべきところだと思いますね。
■リスクを取るという話が何度か出ました。リスクに対する考え方を教えてください。
結果が出ないものは早めに切り上げるということですね。結果を出せるならあきめない。
■見極めのポイントってありますか。
自分が投資の際に一番気をつけていたことは、良し悪しではなく、自分がわからないものは、遠慮させていただくということです。自分がわからないものはリスクが高いと感じます。
■100%わかっていないとリスクが高いですか。
投資としては、全部わかってしまうと面白くありませんので、100%わかるのもだめです。自分がこれくらいのリスクだということが確信できればいいです。自分ではわからない部分があったとしても、相手はリスクを取れているのか、とれていないのかがわかればいいです。
■リスクと楽しみは比例しますか。
リスクがあるから、おもしろみもあるということです。リスクとリターンの比率が合わないと思えば僕は賭けませんね。
■いい会社だけど投資を見送ったケースもありますか。
ありますよ。わからなくて断った会社が、その後、上場したこともあります。わかっても先方から断られることもありますから、これは縁ですね。
■投資だけではなく、身につけるテクノロジーの選択にも同じことが言えそうですね。
■最後に聞きたいことがあるのですが、「ブログの神」と呼ばれていかがですか。
ああ。割と気軽に呼ばれていますね。基本的に自分で名乗ることはないですが、言われること自体は非常に光栄だと思っています。いつの間にか言われるようになり、OCNのBlogzine(ブログ人)がスタートするときに「ブログ神に聞け」というコラムを依頼され、それで大きく出てしまって以来ですね。
■公認ですね。
ありがたいと思っています。ブログ自体は好きですし、しばらく続けますよ。
■ブログはいつまでも残りますか。
なくなるとは思っていませんが、当然になりすぎて新しいものに駆逐されることはあるでしょうね。少なくともインターネットというプラットフォームがある限りは、ネット上で個人が何かを発表する行為自体はこれからも必要とされるでしょう。そのためには、今はブログという形態が合っています。今までも、ネットニュースや、掲示板などいろいろな形がありました。だから次もあるでしょうね。でも、僕としては、ブログという言葉がなくなってしまうのでなければ、それでいいと思っています。
■では、これからも「ブログの神」ですね。
こういう名称は、一度貼り付くとはがれないらしいので観念しています。でも、自分では名乗りませんよ。それに日本にはいっぱい神様がいるので・・・。
■いっぱいいるならなおさら名乗ってもいいのでは。
いや。せめて皆さんからの期待には応えられるようにはがんばりたいと思います。
■これからの平田さんの動向を楽しみにしています。今日はありがとうございました。
今回でnews2u平田氏へのインタビューは終了です。
次回お楽しみに!
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投稿日時 : 2007.10.25 09:50
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