TOP > スペシャルコンテンツ > CTOインタビュー > カカクコム安田氏 > 第10回(3)カカクコム安田氏「『技術を売る』から『技術を使ってビジネスをする』への転身」
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2007.08.27
2社の経験を経て、インターネット関連技術を次々と学んだカカクコム安田氏。ところが次に安田氏が考え、選んだ仕事とは。(4)では、カカクコムCTOにいたるまでのお話しをお伺いします。
※カカクコム安田氏は2007年8月21日付で、取締役CTOから、取締役COOになられました!

技術を使ってビジネスとか事業がやってみたくなった
■ネットスケープ社では、アメリカからどんどん新しい技術が生まれて標準化される最前線を経験されたんでしたね。
そうですね。
■その後、デジタルガレージに転職されるのですが、その経緯を教えてください。
技術としては網羅的に身についてきていたんですね。でも、それはもういいかなと。あまり技術、技術と特化したところは、僕には実は向いてないのではないかと思うようになりました。
■え、技術は向いていないとは、大胆な発言ですね。
デジタルガレージに入った1999年頃は、インターネット事業会社っていうのが大きくなってきている時代だったんですね。シリコンバレーでは、テクノロジー系の会社だけではなくて、メディアだとかインターネットを組み込んだビジネスモデルも出てきていました。当時を振り返ってみると、アメリカではITバブルもはじけて、ニーズのないビジネスモデルというのが結構あったんですね。技術やインターネットがあるから作ったけど、ニーズがなかったからビジネスとしてうまく行かない、という事例もありました。
そんな中で、インターネットの技術がだいたいわかってきたところで、ビジネスとか事業を作っていくほうをやりたいなあと思うようになっていました。たまたま、前職の知り合いのお誘いもあり、デジタルガレージに行くことにしました。
■ビジネスや事業に強くなりたかったということですか。
今の外資系の日本支社を見渡すと、どんどん老朽化が進んでいるように僕は感じています。ライセンスとか箱モノのビジネスは、技術革新も多くはありませんし、ただ作り続ければ売れるという状態ではなくなってきているように感じます。
■電力会社が電気を作り続けるという雰囲気はあるようにも思います。
そうですよね。2000年以降は、ベンチャー企業も、ソリューション系では特に目立った会社はあまりはいってきていませんね。1990年代後半は、ソリューション系でも、興味深い会社が、日本に進出してきていたように思います。撤退してしまった会社も多いですけどね。
■日本でITバブルはじけた後は、おもいっきり安価なシステムになるか、エッジのきいたおもしろいことをするか、両極端になった印象がありますね。
デジタルガレージ自体は、ちょうどその頃、某コンビニエンスチェーンさんと、コンビニ決済とインターネットをつなぐというプロジェクトをやっていて、その技術プロジェクトマネージャを探していたんですね。僕は、リアルな感触も含めていろんな事業や仕組みを知りたいという気持ちもあり、デジタルガレージに入社を決めました。
■技術を極めるではなくて、それを使ってインパクトを生みたいということですか。
それに加えて、業界的にも1990年後半からは技術的に打ち止めというか、新しい技術を作ることより、むしろそれを使うほうに、エンジニアもシフトしてきたという実情があります。シリコンバレーでは、エンジニアがメディア作ったりという流れになってきていました。今もそうですよね。今振り返って考えると、僕は自然とそういう流れに乗れたのかなと、ソフトウェアの会社にずっといなくてよかったなと考えることがあります。
■自然と体が察知していたわけですね。
なんとなく、なんとなくネタ切れっぽいところを察知していたのかもしれません。
■実際自分の会社が売られていくのも味わってますしね。
まわりを見渡しても、当時業界の寵児だったような会社が撤退していったりとかありましたね。
■何か新しいことをやりたいと思ったらビジネスだったということですね。
今考えるともっと早く察知してもよかったとは思います。1990年代後半から、ExciteとかYahoo!などの会社は、優秀なエンジニアを集めてメディアを作るってことをやってましたからね。
■でも、そのメディアの動きにのらなかったから、次の動きに集中できたってこともありますよね。
そうですね。僕はメディアをやっている会社よりは、もう少し仕組みづくりをやりたいなと思っていました。デジタルガレージ社で当時経験したのは、特にコンビニ決裁とか、クレジットカードの与信の仕組みをつかったオークションのエスクローの仕組みだとか、e-コマースだとかDRMをつかったコンテンツ配信の仕組みだとか。とにかくそういったものをたくさんやりましたね。最終的には新しいコンセプトや技術を取り入れたようなソリューション系がおおかったですね。当初はインキュベーションに特化したIT系だったんですが、徐々にソリューションを外販するといったことも行うようになりました
■ある仕組みを外部に提供するようになっていったんですね。
デジタルガレージ自体が大企業と組んでインキュベーションを行っていく中で、その他にもそういった仕組みを導入したい企業も増えていったんですよ。
■そういう中でカカクコムにくることになるんですね。
はい。
チーム作りで大事なのは「チームを知る」と「チームを作る」
■初めこの話をきいてどう思われましたか。
この話がきたときは、カカクコム自体が40人くらいだったんです。初めは何をやっていいのかわかりませんでしたね。
■カカクコムのような業態は初めてですよね。
メディア系は初めてですね。
■しかもすでに動き出しているサービスですよね。
はい。なので、何からしようかと。
■もともとカカクコムは個人サービスからスタートですよね。
そうです。
■開発チームはどれくらいの規模でしたか。
6.7人でしたね。
■現在ではどれくらいですか。
今はグループ全体で35人以上ですね。
■この3年で随分増えましたね。
4倍以上、5倍くらいですね。
■カカクコムさんに来てから、まず何をされましたか。
初めは、どこの会社もそうだと思いますが、2つありまして、まずは「チームを知る」ということと「チームを作る」と言うことに注力しましたね。それは採用もそうですし、チームメンバーが何をしているのかを知るとかそういうことも含まれます。
■チームビルディングのコツは何かありますか。
コツというか、チームを作る上で大事なことは、「どんなチームを作るか」という明確なイメージを持つことですね。デジタルガレージでも、ITコンサルティングの非常に優秀なチームを作ったという実績があったので、その経験を生かして、今回はメディアを作るチームだから技術力が高くて、かつ自分達で開発できることが必須条件で、かつネットワークやサーバといったインフラまわりも見ていく必要がありますので、上から下まで全部見れるようなひとつのチームが必要かなと思ってましたね。
■まずはどんなチームが欲しいかをイメージして、実際のメンバーを配置していくんですね。
そうですね。
■では、2点目の「チームの知る」についてはどうですか。
まず、時間をかけて今までの資料を見せてもらうこと、それから実際にメンバーと話をして、「これはどうしてるの」「どうなってるの」ということを繰り返し聞いて理解することですね。
■チームを知る、作るというのは、何度も繰り返されることですよね。
はい。問題点や、これはこうしなければいけないといった課題は、基本的に現場にあると思ってます。なので、こういう過程を通じて、それらをひとつひとつ検討し、実現していく上で何が必要かを考えて判断していくことが必要だと思っています。
次回第10回(4)「今こそ高まるエンジニアの価値と可能性」
9月3日up予定
投稿日時 : 2007.08.27 17:13
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