TOP > スペシャルコンテンツ > CTOインタビュー > カカクコム安田氏 > 第10回(4)カカクコム安田氏「今こそ高まるエンジニアの価値と可能性」
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2007.09.03
技術を使ってビジネスや事業をやりたいとおっしゃるカカクコム安田氏。最終回では、今思うこと、そしてインターネット業界で働くエンジニアに今伝えたいことをお伺いします。
※カカクコム安田氏は2007年8月21日付で、取締役CTOから、取締役COOになられました!

エンジニアのアイディアをサービスに転換する仕組み
■徐々に開発部隊の規模も大きくなってきていますよね。
はい。
■現在はカカクコム社としてのサービスはいくつくらいあるんですか。
サイトは7つですね。
■ここに至って、チームマネジメントで気をつけていることは何かありますか。
それは2つあります。ひとつは、規模が大きくなってくると、オフィスの場所も変わったり、階が違ったり、ビルが違ったりしますよね。そうなるとだんだん技術者同士の関係が希薄になってきて、その結果、自分が担当しているところだけ知っている状態になってしまいます。うちは7つのサイトを運営していますが、他のサイトの運営についても知って、可能性や機会を増やして欲しいと思っています。具体的な活動としては、エンジニアだけの飲み会を開催したりとか、APIのコンテストをエンジニア中心に実施したりしています。
それから、せっかくカカクコムのエンジニアとして来てもらった以上は、技術的に楽しいこや、技術的にちょっと先を行ったところに進んでいって、もちろんカカクコムのサイトはたくさんのユーザーにきていただいていて素晴らしいのでそれは自慢していただきたいんですが、それ以外にも、エンジニアとして皆に自慢できるものがあったほうがいいと思っています。そのふたつは気をつけていますね。
■ご自身がネットスケープ社で体験されたようなワクワク感を持ってもらいたいんですね。
そうですね。新しいものがないと、僕個人的には、つまらなくなってくるように思います。
■つねに新しいものを作る環境を作っていきたいということですね。
そうですね。
■「新しいものにチャレンジしよう」と言う気持ちを醸成するためにされていることがあれば教えてください。
組織的にはまだできていないこともありますが、当社のエンジニアが何かしらツールを作ったり、例えばガジェット作ったりといったケースは実際にあります。まだ外向けにはお出しできてないですけどね。それからエンジニアがもっているアイディアをサイトに反映させていこうといった動きをやろうとしています。
■エンジニアが発案する仕組み作りですか。
会社には、サービスを考える部隊もいて、皆で考えたものを作っていこうという方向性はあると思いますが、エンジニアだからこそ発案できることってあるんですよね。例えば、コンテンツをやっている人には、データベースの中身は詳しくは分からないわけで、どんなログがたまっているのかまでは分からないことも多いですが、エンジニアは分かっているわけで、このログを活用すればこんなことができるとか、実はいろいろなアイディアを持っているんですよ。なので、僕はそういう発想をもっとサービスに取り込んでいきたいと思っています。アイディア持ってるんだったら、もっと言ってよ!と。会社としてもそういったアイディアを取りこぼさずサービスに転換できるような仕組みが要りますね。エンジニアがアイディアを発散できるような場所があると本当に素晴らしいなと思います。それが近々の僕のゴールですね。
■安田さんのリソースはマネジメントに何パーセント、エンジニアとして何パーセントみたいな構成比で言うとどういう感じですか。
エンジニアとしては、最近検索サービス部というのを作りまして、今すごく検索に力を入れています。そこで技術革新、技術でもって新しいサービスを作っていきたいと思っていて、これに3.4割ですね。それからマネジメントに3.4割。残りは、情報収集や、会社全体のことに割いています。
■情報収集ですか。
検索技術なんかは、過去のネットの記事なんかを読んでいます。検索していたらたまたま僕が捜し求めていた情報が2000年にもあるし2003年にもあるし、段階的に常に言われてきているような話で、それは今リサーチしてます。今はネット中心で、エンタープライズ系雑誌等はあまり情報として読まないですね。
■情報は海外のほうがおおいですか
海外、日本で半々くらいですね。今はすぐにボランティアで日本語に翻訳されているので。Techcrunchなどは日本語で読んでますね。
■自社のエンジニアに対してどうなっていって欲しいといった思いはありますか。
今のままでも十分いいかなと思います。彼らが僕に言いたいことはいっぱいあると思いますけど(笑)、今のままでいいです。何か言うのであれば「もっとコミュニケーションとろうよ」ということですね。これはすごく重要だと思っています。ずっと言い続けていることですね。
■コミュニケーションとろうよ、ですか。
たばこ吸ってる時でも、夜飲みに行っても何でもいいので、自分の知ってることや、向こうが知ってること、こういうことをやったらうまくいったとか、これはエンジニアだけに限った話じゃないですよね。サービスが増えてくるとそういう情報交換が本当に重要になってきますね。
エンジニアはアイディアを磨くか技術を磨くか
■安田さんにとって、転機ってありましたか。
うーん、あんまり僕は頑張った記憶はないんですよ。20代の頃は、すごく本を読んで勉強しましたけど、今振り返ってみると流れに身を任せていたことが多いように思います。仕事に関して言うなら、自分にとっておもしろいとか、いけてるとか、そういった感覚で仕事を選んできたように思います。1点だけ変わらないのは、「好きなことを仕事にしよう」ということで、これは最初から決めて実践していることです。
■好き!とかやりたい!と言う気持ちに忠実にですか。
今、僕は価格.comや、カカクコムがやっているその他のサイトが非常に好きで、自分でもよく使っています。なので、それを仕事にできるなんて幸せだなと思います。
■安田さんはこれからどうなっていくんでしょうか。
ここにきて、あんまりないんですよ(笑)たまに違うことをやりたいなと思うこともありますが、カカクコム自体がいろんなことをやっているので、例えば保険の代理店業や、不動産事業など。そう考えると、Webのサービスでカカクコムでできないことというのはあまりないんですよね。
自身のキャリアとしてはカカクコムのメンバーの一員として会社とサービスをもっと大きくしていきたいですね。カカクコムの歴史に、多少はページを割いていただけるような存在にまでなれればいいなということでしょうか。
■安田さんは好きなことを仕事にしていて、今一番すきなのはカカクコムであるわけですね。
カカクコムの中で、もっと新しいこともやりたいですしね。新しいカテゴリーとかサービスはまだまだ考えられます。カカクコムのユーザー視点でユーザーのためにやる姿勢というのはDNAとして受け継がれていますので、そんな僕たちがやればもっと面白くなるのになと思うことはまだまだたくさんあります。
■では、最後にこれからのエンジニアへメッセージを下さい。
そうですね。インターネット業界に限定して言うなら、技術でサービスやコンテンツが作れる時代がいよいよ来ています。着想してから実際にサービスを作るスピードというのはエンジニアが最も早いので、技術やプログラムがかけるというのはすごく価値が高まってきています。エンジニアは、アイディアさえあればそれをすぐにネット上で公開することができる存在なんです。可能性がものすごく大きいということを、是非皆さんに知って、考えていただきたいです。その結果、日本発の世界に通用するようなサービスが出てくるといいなと思っています。
■アイディアがあればですか。アイディアはどうやってひねり出せばいいでしょう。
休日は外に出て遊んだほうがいいですね。当社の創業者は秋葉原で営業をやってて価格比較のアイデアを思いついたって言ってますしね、とにかく常に考えることです。サービスを思いつきたかったら、アンテナを研ぎ澄ましておくとか、感受性を豊かにしておくとか、イベントに参加して人脈を広げるとか、人によってアイディアの源は違うので、そのアプローチは限定できませんが、好きなようにすることですね。
極端な話、若いうちだったらエンジニアが嫌なら辞めるという選択肢もありますよね。今のIT業界には、構造的にエンジニアが明るい未来を描けない局面もありますよね。業界の多重請負構造や、オフショア開発の増加だったり。
■エンジニアの持つ、価値や可能性は高まってきているけど、それに気付かないとなんとなくそのまま価値が落ちていく可能性もあるということですね。それを意識することが必要だと。
そうですね。常に業界の情報を仕入れていきながら、自分がどう行くべきかということを考えていく必要がありますね。
■意識して自分でアンテナをたてて何かを作るほうにまわるべきだということでしょうか。
サービスを作るだけではなく、技術力をすごく高めるというのも選択肢としてあると思います。技術者、エンジニアとしての自覚をもって、毎日夜な夜な勉強している人っていうのは少ないと思うんですね。エンジニアとしての自覚を促して行くのは、僕たちのような人間の責任でもあると思うんです。
■安田さんもそういうメッセージを伝えていきたいんですね。
カカクコムに入ってきたエンジニアが楽しく仕事をしてもらえるように、それから当社のサイトも10年20年以後も繁栄をしていけるように。いやもっと長い期間ですね。永く愛されるサービスを提供していきたいと思います。
■10年20年の繁栄ですか。
ちょうどカカクコムは10周年を迎えています。
■信じられないですね。10年前になかったなんて。
そうですね。他社さんのサービスにしてもそうですよね。
■30年後のカカクコムに乞うご期待ですね。お話しありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
カカクコム安田氏へのインタビューは今回で終わりです。
次回お楽しみに。
投稿日時 : 2007.09.03 19:48
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