TOP > スペシャルコンテンツ > CTOインタビュー > NHNJapan柳氏 > 第5回(3)NHN Japan柳氏「オンラインゲームを開発する楽しみとは」
![]()

2007.02.07
第5回(3)では、オンラインゲームの開発の仕事の楽しさとは何か、日韓のゲーム開発の違いなどを、引き続き株式会社NHN Japan柳熙東氏にエピソードを交えつつお聞きします。

お客様の反応にこたえる楽しみ
■ ゲームをして面白さを直感して、すぐに転職してしまった後はどうなりましたか。
初めて作ったのは、花札のゲームです。韓国で一番有名なゲームは花札(ポーカー)です。韓国でも花札をゲームにしたのは初めてだったと思います。はじめは4人でできる花札。その次は2人でできる花札。
印象的だったのは、ゲームを開発してリリースすると、すぐにお客様からなんらかの反応があることです。それが新鮮でした。ゲームの開発は、お客様はゲームをするときに、何をして、何を考えるか、といったお客様の視線で考えて、作っていかないとだめなんです。
■お客様が何を考えているかですか。
サッカーの例えでいうと、大学生の時は、研究に一番興味があったので、自分がボールをシュートして、ゴールを入れたこと自体が気持ちいいと思っていました。ハンゲームで、ゲームを開発した時は、自分がボールをシュートしてゴールを入れたことを、周りの観衆、つまりお客様がどう見ているのか、どう喜ぶかということが楽しみになっていったという感じです。
初めは、思い通りに機能が出来上がることが楽しみだったのが、お客様のことをいろいろ想像し、その人が喜んでくれそうな機能を作り、お客様がどう反応するのかを見るのが楽しみになっていっていきました。
■ お客様の反応が、思ったとおりだとやはり嬉しいですか。
はい。初めは反応があんまりよくないこともあります。でも、反応がきっかけになって、だんだんよくなっていきます。なぜ反応がよくなったのかを記録しながら作っていきます。コンシューマーゲーム(家庭ゲーム機用コンテンツ)は1回作ったらそれで終わり。だけどオンラインゲームは1回作ったあとが始まりです。
■それは、オンラインゲームの特徴ですね。
初めは、こういうお客さん向けにこういうものをつくろうと企画していたとしても、実際にそれが予想通りになるとは限らない。実際に考えていたお客様層がくるかどうかはわからない。作ったあと、お客さんの反応次第でゲーム自体が変わっていくんですね。
■ゲームの開発と、それに対するお客様の反応のやり取りが楽しいということですね。
例えば、ちょっと極端な例えで言うと、男性向けに作ったゲームが、実際にリリースしてみたら女性のプレイヤーが多かった場合もあります。そうなると、企画時点では男性向けだったとしても、女性向けの要素を加えていく必要があります。女性向けのサービスを考えたり、絵を替えたり。そこから始まりです。そういったやり取りが楽しいですね。お客さんの反応を見て、対応を考えて、アップデートして、また反応を見るという。そうやって、お客さんの文句を減らしていく。(笑)これはオンラインゲームでないと味わえない楽しみです。
■企画とプログラミングをずっと担当されているんですか。
入社して、花札のゲームを作る過程で、ハンゲームが何をどう作っているのかが一通り分かりました。開発プラットフォームは当時もあったのですが、やや使い勝手が悪く、このままでは作りにくいと感じました。そこで、ゲームの開発プラットフォームを作ることにしました。開発プラットフォームにとって、お客様はゲームの開発者です。開発者が通信周りを知らなくても、共通のナビゲーション部分をいちいち作らなくても、開発者がこの開発プラットフォームを使って、ゲーム部分だけ作れば、すぐにオンラインゲームとして動くものが出来上がるという状態にしました。
■開発者がゲーム部分により集中できる体制作りをしたんですね。
ちょうどその時期に、ライバルのネットマーブルがサービスを開始したことも、開発プラットフォームを意識したひとつの理由です。ネットマーブルは、ハンゲームを研究していて、似たような機能を持ちつつ、工夫されていると感じ、危機感を感じました。
当時、ハンゲームはオンラインゲーム業界では先駆者だったので、お客さんにとって多少使いにくくても、ゲーム=ハンゲームしかなければ、それでも大丈夫だったんですね。
状況が変わったので、ハンゲームもライバル会社を超える必要がありました。そこで、ゲームを作るのはメンバーに任せて、サーバ周りもサーバ担当に任せて、自分は開発プラットフォームを作ることに集中することにしました。
■ ゲームのプラットフォームというとどのあたりまでを指すんでしょうか。
お客様からハンゲームを見ると、ゲーム部分だけが違っていて、ロビー部分等はどれも同じです。その同じ部分です。例えば、囲碁や花札は、ゲーム形式が同じです。ロビーを作って、部屋を作って、ペアを作ってゲームを行うという仕組みです。同じところは同じ部品を使うということですね。考え方としては、初めのビジネスでやっていた、専用ブラウザと同じです。
■以前の経験が生かされてくるんですね。
最近のゲームには複雑なものもあります。なので開発プラットフォームも、カスタマイズが出来るようになっています。見えない部分、共通で見える部分、ゲーム毎に見える部分をレイヤーでわけて、使い分けられるようにしています。
日本と韓国の開発スタイルの違い
■ 開発プラットフォームの整備で、生産性や開発スピードは格段にあがりましたか。
そうですね。作るのはすごく早いですよ。ゲームを1本作るのに、韓国ならだいたい4ヶ月。日本だともう少しかかりますね。
■ 日本のほうが遅いんですね。
大きな理由としては、日本では、まだオンラインゲームのエンジニアが足りないということが挙げられます。教えながら作るので、時間がかかってしまいます。韓国にはオンラインゲームの技術を持ったエンジニアが多くいます。
■日本の開発スピードに対する意識はそれほど高くないという話を聞きます。逆に、お客様の要望を聞いて作る意識は高いと聞いたことがありますがどうですか。
そうですね。韓国では、お客様がこうして欲しいと求めることはありますが、たいてい開発者や企画者が、これでいいと思ったらそれを作ってしまう。作るとお客様はそれを利用するんですね。でも、日本ではそうはいきません。日本ではお客様の求めるところを、きちんと作る、という考え方が強いですね。日本と韓国では意識が違います。韓国で作ったゲームを、そのまま、言葉だけ変えて、日本のお客様に、ちょっと使ってみてくださいとリリースしても、なかなか触ってもらえません。
■韓国では使い勝手より、おもしろさやインパクトの方が重視されるわけですね。
ええそうです。例えば、韓国ではヘルプ画面は、全部文字だけです。しかも、ほとんどのユーザーはヘルプ画面を読まずに、まずは試しで1回やってみる文化があります。それでもおもしろければ、あっという間にユーザーは増えます。
一方で、日本では、なにより利便性、まずは使いやすいことが求められますね。日本では、まず初めにヘルプ画面を読むユーザーが多いので、日本ではヘルプ画面、チュートリアルなどをきちんと作る必要が出てきます。韓国で作ったゲームを日本語版として移植する際には、日本のユーザー向けにこういった部分を変える必要があります。これも、韓国より日本のほうが開発に時間がかかる理由のひとつです。日本では使ってもらうための壁があるように思います。そういう点で、韓国と日本のゲームプラットフォームは違うものが必要になりますね。
■ そうなんですね。今度気にして見てみたいと思います。
次回、第5回(4)「お客様とつながるオンラインゲーム」をお送りします。
2月14日up予定
お仕事はこちら
投稿日時 : 2007.02.07 23:50
あすなろBLOGのトラックバック・コメントは承認制になっています。
すぐにブログに反映されませんので、ご了承ください。
第28回 | Retinaディスプレイ | MacBook Pro | hiroumi | Fool on the web | 台湾 | 英会話教室 | メルセデス・ベンツコネクション | 靴 | シルバーメダリオン | デルタ航空 | 海外送金 | money transfer | 掲載されました | コメント | 新製品バトル | 日本経済新聞 | Dropbox | Google Drive | Gマーケット |
月別
