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CTOインタビュー

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第2回(3) ガイアックスCTO鳥居氏 「インターネット業界はどう変わっていくか」

2006.10.25

インターネット業界が今後どう変わるか、どのような変化を起こしたいかを、引き続き、株式会社ガイアックス 執行役 CTOの鳥居 晋太郎氏にお話お伺いします。

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インターネット業界はどう変わっていくか


いろいろ経験されたわけですが、ターニングポイントってどこになるのでしょうか。
鳥居氏:インターネット業界に飛び込んだことが、その後の自分の人生を決めてしまいましたね。様々な職種や経験を経てみて改めて実感しましたが、インターネット業界における活動が今後も自分のライフワークになると思います。

インターネット業界の今後はどうなるとおもいますか
鳥居氏:もう少しマクロに考えると、知識が重要視される知識社会がより発展するにつれて、その知識や情報を扱っているこの情報産業という業界は変化し成長していく産業だと考えています。その中でもインターネット業界は、引き続き動きの激しい分野の一つでしょうね。

インターネットはユーザの生活にとってどういう存在になっていくのでしょうか。
鳥居氏:インターネットは、ユーザがあたりまえすぎて気づかないような日常生活の一部になってきています。特にコミュニケーションという観点では、インターネットを介したコミュニケーションは必要不可欠になってきています。Blogを通じて情報を発信したり、SNSを通じて友人と交流したり、IP電話を通じて会話をしたり、オンラインゲームを通じてコミュニティを形成したり、多様なコミュニケーションがインターネット上で実現されるようになっています。インターネットを介したコミュニケーションは、今後も形を変えて生活の中に浸透していくと思います。

インターネットを利用するユーザを取り巻く環境は変わってきていますか。
鳥居氏:Webサービスが普及したことによりマッシュアップで新しいサービスがスピーディに展開されるようになり、ネットワークインフラの向上に伴い動画や音声コンテンツも急増しています。そして、携帯電話、Nintendo DS、ワンセグなどインターネットへのアクセス方法も多様化しています。そういう意味では、ようやくここに来てインターネットは本当の意味で生活に密着してきたといえるでしょう。

インフラの多様化と、インターネットコンテンツの多様化両方なんですね。
鳥居氏:インターネットはある種の巨大なストレージです。CGMサービスが普及するにつれて、その中に単位時間あたりに蓄えられる情報量はさらに増加をしています。Blogや動画共有サービスなどのサービスが普及してからはむしろ情報は溢れ始めていて、整理されずにどんどん生成されるようになっています。社会全体を考えたときに共有されている情報が増えることは有益なことなのですが、これからは情報を整理する技術やサービスが必要とされているのでしょうね。タギングという機能もそういった情報の整理を必要とする中で生まれたものですし、セマンティックウェブのコンセプトを継承する形でWedに意味や因果関係を与える動きが加速していくと考えています。

 


インターネット業界における技術者


この業界における技術者の位置づけはどうなっていくかお考えはありますか。
鳥居氏:私がインターネット業界に戻ってきた一番大きなきっかけは、技術者が自ら情報発言をするという、素晴らしい文化が普及してきたことです。以前は、サービスを作ったプログラマ自身が注目されるということはほとんどなく、どこの会社がやったのかに対する注目のほうが高かったと思います。しかし今は面白いサービスを作ると、制作者は自らのBlogで情報発信をしたり、新しい技術の発見を技術者間で共有することで、会社よりも個々の技術者に注目が集まるようになってきています。前回の長谷川さんの話にもありましたが、旧来より日本の会社においてエンジニアが、マネジメントから高く評価されることは稀でしたが、彼らが社外に対して情報発信をし影響力を及ぼすようになるにつれて、日本においても相対的にエンジニアの地位は向上してきていると思っています。そして今後もそのような活動を応援し促進していきたいと思っています。

日本の技術者が今後取り組むべきことに関してお考えはありますか?
鳥居氏:まず、日本のインターネット業界が世界的に競争力をもつためには、知識や技術を中心としたビジネスを展開できるようにならなければならないと思います。なぜならマーケットを中心としたビジネスというのは市場の文化や流行に流されるため、どうしても地域ごとに最適化されたものになってしまいがちですが、世界的に競争力をもつためにはもっと普遍的な知識や技術をコアに据える必要があるからです。日本の場合は製造業の方がそういう姿勢が強いため、彼らには学ぶことが多いですね。
また、ソフトウェア業界においてはオープンソースというものに対して貢献する姿勢が必要ではないかと考えています。ガイアックスでもエンジニアはオープンソースのプロダクトを利用していますし、それらをハックした結果はオープンソースコミュニティに還元するように努めています。

 

産学連携を促進したい


コアな技術を作るという観点では、産学連携のお話をされていましたね。
鳥居氏:ビジネスの世界はシビアなので、コアな技術を企業単体で開発し発展させていくのはかなりの困難が伴います。一方で、TLOなど大学の研究成果を産学連携のような形でビジネスに繋げる活動は活発になってきていますので、研究界での動きをビジネス界にも取り込むとか、ビジネス界でのフィードバックを返すといった動きを実践していきたいと思っています。

産学連携によってビジネス界で使われるコアな技術は生まれていくのでしょうか。
鳥居氏:正直、うまく有機的に組むことのできた成功事例は今まであまりなかったと思います。何度かトライアルしてみましたが、それぞれの観点が違いすぎるところに問題があるように思います。研究側は、例えば研究成果は学会で発表するまではクローズにしておかなければならなかったり、外部からのフィードバックも受けにくかったりしますし、一方でビジネス側ではスピードやオープン性が重視されます。そのように双方の文化はまだかなりの隔たりがあるのが現状ですね。

もし産学連携がもっとうまく進むようになったらどうなりますか。
鳥居氏:例えば、アメリカはうまくいっているのではないかと思います。大学院から出た技術がコアとなってビジネスにつながり、ビジネスで得られた利益は大学に還元されるというモデルができあがりつつあります。そして大学側はその資金を元にいい研究をし、次の優秀な人材を輩出する。その人材が起業して、また収益をあげる。そういった良い循環を作り上げることで、日本の技術業界、IT業界も活性化されるのではないかと思っています。

今のインターネット業界、IT業界には元気がないということでしょうか。
鳥居氏:いえ、そういうことは全くないです。ただ、諸外国と比べて、日本のITの技術やサービスは、海外で普及しているケースが少ない現状を考えると、まだまだ普遍的な価値を創りだせていないのではないでしょうか?その背景には、やはり理論面としての研究界と実践面としてのビジネス界がうまく絡みあってないということがあるのではないかと考えています。


これらの問題を解決するためには、草の根的に研究界との関係を整備していかないといけないですね。国が政策的に支援するというより、研究側、ビジネス側双方の若くて活力のある現場のメンバーが主体的に動かないと結果としてうまくいかないでしょうね。中期的な取り組みとなるでしょうが、関係者がWin-Winの関係となるスキームを作って、ビジネスとしても研究としても成り立つようなフレームワークを作り上げていきたいと考えています。

 

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■次回、最終回は11月1日up予定
■「これからの技術者に必要な2つの素養」をお送りします。

 

投稿日時 : 2006.10.25 08:13

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