mixiがドコモ公式に
2007.01.31
比較的「ふ~ん」という反応の多かった昨日のmixi動画投稿開始の報。日経新聞が騒ぐなど、大人はえらく盛り上がっているようだが、著作権をがっちり守る動画投稿サービスが速攻ブレイクすることは残念ながらない。まずはコミュニケーションのスパイスとして、+長い目で見て育てていっていただきたい。
のだが、この報で重要なのは「モバイルではドコモ公式サイトに」の方だと思います。
mixi、動画投稿サービス開始へ--モバイルではドコモ公式サイトに - CNET Japan
モバイルでは「ミクシィモバイル」を展開しているが、2006年12月24日にauの公式サイトになったことに続き、2007年2月5日にはNTTドコモの公式サイトになる予定だ。特にサービスが変わることはないが、公式サイトになることでユーザーの目にとまる機会が増える効果を見込んでいるという。ソフトバンクの公式サイトになるかどうかはまだ何も決まっていない。
これまで頑なにコミュニティサイトを公式から排除していたドコモがついにコミュニティ解禁、と。これまでは公式サイト事業者がケータイからも見られる関連ブログを書くことさえも禁じたりしていたドコモが大きな方針転換です。数ヶ月前からその方向に動くという話は出ていましたが。
これで堰を切ったようにコミュニティサイトが公式に・・・ はならないと思います。一度染み付いた性悪思想が組織全体からはがれるには相当時間がいりますからね。 モバイルnewsingもここはしっかり狙いにいくつもりですが、まだまだドコモ公式の壁はあつい。
投稿者 : 上原 仁 | 投稿日時 : 2007.01.31 09:57
どこでもドアと起業のこと
2007.01.15
インターネットが普及することで「個人が主役」の時代がやってくる、という考え方はインターネット草創期から語られていたことです。今回のWeb2.0のブームの中でも、再びその考え方は強く喧伝されました。
実際、これから長い月日をかけて「個人が主役」の時代は進んでいくと思うし、それが本当に行ききったときには国も会社も学校さえもセーフティネットとしての機能以外は不要になっていくのだろうと思います。それは資本主義が構成したハイアラーキー構造の社会から、ネットワーク時代に適したフラット構造の社会へ進化する中での必然だと思います。
2004年以降インターネットに住んでみながら肌感覚で感じたそんな未来を認識していながら、私は2006年に会社を自分で立ち上げるという行動をとりました。ある側面から見れば時代逆行、非インターネット的行動に見えるものだったようにも思います。きっとこの辺りの感覚を同じくしている友が一旦私の起業に疑問を呈したりすることがあったのもそういうところが理由だろうな、と感じていたりします(今は大応援してくれていますが)。
私が起業した理由は明確に「どこでもドアを実現するため」(今の会社の企業理念が「どこでもドアを実現する」である通り)なのですが、この言葉には自分の中であまりに多くの思考・思想を詰め込み過ぎているので、なかなか文字では表現しにくいところもあります。そんな多くの思考・思想の中で、いくつかを紐解いておこうと思います。
まず、起業する上でインターネットというフィールドを選んだのは、私の中にある「どこでもドア」に現時点で一番近いと感じられたものが、一人ひとりがノードとなってネットワーク型につながり、そこで人同士が時空を超えて知識・知恵・感情を交わらせるインターネットの姿にあったからです。そして、起業という方法を選択した理由は、自分の中にある「どこでもドア」は「広くあまねく万人に喜びを感じてもらえるもの」であるからです。
個人がノードに(≒主役)になる時代を感じさせる要素はWeb2.0という現象の中に大量に詰まっていました。ブログであり、SNSであり、タギング、フォークソノミー、ロングテール、などなど。ただ、今回の大きな波の中で「主役になる権利」を得た人の数は日本国内では600万人(ブログのアクティブライターとmixiのアクティブユーザーの実数推計)というところです。まだまだ人口の5%です。
次の進化はケータイの世界で起ころうとしていて、そこには接続可能な人口が8000万人いる状況で進化が進行していきますが、どこでもドア的意味合いの便益もその普及もまだまだそれで行ききるわけでもありません。
そういった「普及」というものを内包した進化を進める上においては、まだ未完成なインターネットの中での一人ひとりの力のネットワーキングだけでは推進力に欠け、資本主義下のフレームワークであるところの会社組織というスタイルを選択することがどこでもドア実現への近道であると考えました。ある意味、インターネットの本質であるところの「個人が主役」の状態から逆方向に向かうことによってしか、普及を前に進めることはできない、という思考です。
ただここで強く感じていたことは、資本主義下の会社組織のフレームワークそのままでインターネットを生業とする会社を組み立てたりしてはいけない、ということです。そんなことをしては、インターネット的を突き詰めることで初めて完成に向かうであろうどこでもドアを創る会社が、その実現型とは反対の方向を向いていることになってしまうわけです。一人ひとりが主役になる、一人ひとりが生き生きとHumanとして活躍できる社会になっていることが企業理念体現の必要条件なのだから、一人ひとりが主役になり、一人ひとりが生き生きとHumanとして活躍できる会社でなくてはならない。
また、そこにはもう一つの要素があります。まだまだ広くあまねく万人がネットワーク社会のノードになることには大きな垣根があるのと同じように、一人ひとりが生き生きとHumanすることを独立独歩で成せる人間なんてとても限られている、ということです。人はみんなそんなに強くない。みんながメタ的にアルファブロガーな存在になれるわけではない。程度の差はあれど、99.9%以上の人間は個として成立するために寄って立つところを持っていなくてはうまく個を形作れない。
だから、インターネットの進化を前に進めようと考える「か弱き個」が寄って立つところ、価値創出基盤であり、相互扶助基盤となる「会社」というものを創って、その会社が個人が主役となるための場であったり発射台として機能すればよい。そんなことを考えながら、会社を創りはじめた、ということです。
と、どこでもドアを創るための会社はやはりどこでもドア的なものでなくてはならないと考えている、という話をしたくて書き出した文章でしたが、まとまりなくなるのは書き出した時点でわかっていました失礼。ただ、私の頭の中の「どこでもドア」と「会社」というものがどのように結びついているかを少し紐解いておきたいと思って徒然に書いてみました。また続きを書くかもしれません。
投稿者 : 上原 仁 | 投稿日時 : 2007.01.15 11:34
2007年のインターネット市場トレンド予測
2007.01.07
あちらこちらで2007年の市場動向予測などが流れていますね。私もご他聞にもれず、インターネット市場のトレンド予測記事などアップしてみます。
今年は5つに分かれました。これは、2002年くらい以降2006年までのインターネット業界がおよそ一つの方向にまとまって進化していたところから、2007年は進化の方向が分散化するであろうことも反映しています。もちろん予測は「予測」ですので、あくまで上原個人の私的な意見として見てくださいね。
1.モバイルブロードバンド
2006年時点のモバイルブロードバンド市場は、端末においてはauがようやく1000万台のWIN端末を普及させ、ドコモが903シリーズでようやく3.5G対応端末を数台出している程度の未発達市場である。
ただし、2007年中にはメガビットクラスの回線速度を持つ端末がクリティカルマスを超えて一般普及に弾みがつくことが予測され、同時にモバイルブロードバンドプラットフォーム上でのサービス競争・市場拡大が見込まれる。
2006年にはDeNAの「モバゲータウン」がダウンロードゲーム及びオンラインゲームとアバターSNSを巧みに組み合わせたサービスで特に若年層の支持を一気に得たが、2007年には「mixi」「GREE」をはじめとする既存のSNS事業者や新興のモバイルサービス事業者から20代以上の消費者層をターゲティングしたサービスが多数提供されることが見込まれる。
これによってモバイルブロードバンドサービスの市場は群雄割拠の様相となるとともに、エンドユーザーにとっては高いリテラシーや面倒な決済手続きを経なくても携帯電話を窓口としてインターネットの持つ利便性とエンターテイメント性のベネフィットを享受できる環境が整う一年になることが予想される。
2.モバイル×リアル
2007年のもう一つのモバイル領域でのトレンドとして、GPS端末・フェリカ端末の普及に伴う「モバイル×リアル」の市場活性化が見込まれる。
ドコモの903シリーズ全機種へのGPS機能搭載に伴い、消費者の位置情報と店舗情報・セール情報等がタイムリーにマッチングされる素地が整うことになる。このインフラ整備が、これまでなかなかインターネットとは結びついてこなかった地域広告市場を刺激し、2005-2006年に起こった検索広告市場への資金シフトを超えて、より大きな市場パイの移動・拡大を起こすことが予想される。
主要プレイヤーとして、シリウステクノロジーズの「AdLocal」やリクルートの「ドコイク」、NTT-BJの「iタウンページモバイル」などが想定される。無料ケータイCMS「katy」で地域販促市場参入を狙うマイネット・ジャパンも要チェックいただきたい。
また、地域広告主や関連代理店へのケータイ媒体の認知拡大に伴って、既存の販促手法であるクーポンやポイントカードのフェリカへの移行が同時に進行することになるだろう。
3.ヒューマンフィルタリング
2005年からブレイクしたブログ・SNSをはじめとするコンシューマ発信コンテンツ(CGM)が普及期に入るとともに、インターネットを流通する情報量がユーザーにとっても過多の状態になってきた。これまでに普及の途についているRSSリーダーのような発信元を指定した情報フィルタリングでは不十分となり、ユーザー同士で情報の重み付けを行って記事の価値を決めていくソーシャルニュースのようなサービスが重要度を増すことが予測される。
またこれと同時に、これまでの「信頼できる人物のブログを読む」というスタンスから「信頼できる人物が選んだ記事を読む」というスタンスに変化し、情報の発信力以上に情報のフィルタリング力を持つユーザーがインフルエンサーとして他のユーザーの情報行動に影響を与えるようになるだろう。「みんなの意見は案外正しい」に対して、「みんなの視点は案外鋭い」というスタンスである。
4.エンタープライズWeb2.0
B2C領域では陳腐化したとさえ言われるWeb2.0も、企業ユースに限って言えばその市場普及はまさに緒についたばかりといえる。
2006年には企業向けのブログやSNSのパッケージ商品やASPサービスが雨後の竹の子のように出現したが、これに続いて企業向けのソーシャルブックマークや企業向けの検索アプライアンスといったプロダクトが多数提供されることが予測される。ユーザー企業側も、大手ではIR上の要請に伴って「Web2.0」に対する対応を求められる傾向が、中堅~中小でも実際的な効果を期待した2.0ニーズが高まる傾向が見られる。
ただし、2000年前後に起きたインターネット/イントラネット導入ブームが日本企業の多くに成果をもたらさなかった反省を活かし、マネジメント主導ではなく現場主導で十分にオペレーションが意識された導入が進むことが期待される。
5.ライフログマッチング
ブログ・SNSなどのオンライン蓄積データや関係性データとリアルな位置情報、行動履歴、購買履歴が個人情報と結びつかない(個人情報が認識されない)形で蓄積、解析され、個々人の嗜好・行動に最適にマッチングされたコンテンツ・広告が提示されるためのプラットフォームが整いつつある。
2007年の時点では市場化されるところまでは進まないと思われるが、各領域のプレイヤーがこの領域を次ステップとにらんでの研究、準備を進め、プレゼンスが見え始める年になることが予測される。
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1年後にこのエントリーを読むときにはどんなことになっているでしょうね。楽しみです。
投稿者 : 上原 仁 | 投稿日時 : 2007.01.07 00:56
創るだけでは足りない
2007.01.05
引用はかなり前のものになってしまいましたが。
梅田さんの「ウェブ人間論」についてのエントリーで、江島さんの「口には出さずとも同等以上にわかってる奴はつねに1000人はいる。それを論文にまとめたりブログに書いたりできるやつが100人ぐらいいて、本気でそれの実現に自分の人生を賭けるやつは1人」という文を梅田さんが「その通り」と語っていたことについて。江島さんの元エントリーの時点で何か釈然としないものを感じていましたが、梅田さんのエントリーについたgolgo139氏のコメントがたいへん共感できて、すっと腹に落ちるものでしたのでご紹介。
もう一つ余計なことを書き加えるなら、それで成功するのは0.05人と言ったところでしょうね。でも、0.05人というのはないので、「口には出さずとも同等以上にわかってる奴はつねに20000人はいる。それを論文にまとめたりブログに書いたりできるやつが2000人ぐらいいて、本気でそれの実現に自分の人生を賭けるやつは20人、それで成功するやつは1人」だと思います。
これは激しく同意です。技術やアイデアの実現に人生を賭ける尊さは敬うべきものだと思うし、自分自身もそういう狂気の人生を選択して日々を過ごしているつもりです。ただし、その実現したものが世の中世間様に価値を提供するところまで至ってそれは初めてエゴイズムの域を超えた行為であり、世に成功と呼ばれる状態になるのだと思います。人によってはエゴイズム上等、という考え方もあるのでそれ自体はまったく否定するところではありませんが。
物事を考える上で、絶えず「考える、創る」だけではなく「届ける、喜ばれる」というところまでを想像し、妄想して行動したいと個人的には思っています。
そんな私が常日頃社員と共有しているモットーは「世間様に、驚きと喜びとわかりやすさをご提供する」こと。今年も、わかりやすさとディストリビューションを大切にしてどこでもドアの実現に邁進していきたいと思います。
投稿者 : 上原 仁 | 投稿日時 : 2007.01.05 16:45





