既に価格競争に入っているAmazon EC2型クラウドコンピューティング
2009.09.21
《何がAmazon EC2型クラウドコンピューティングなのか?》
Amazon EC2と言えばIaaS(HaaS)型のクラウドコンピューティングの草分けだ。海外のスタートアップでもよく利用されているし日本でもAmazon EC2の利用事例が増えてきている。なぜ、Amazon EC2を利用するかといえば「簡単にスケールアウトできる」といった点や「コストが安い」といった点があがるだろう。単にroot権限が使えるVPSならば、Amazon EC2が登場する前から存在していたし、Amazon EC2よりも価格が安いものはいくでも存在している。では、Amazon EC2は今までのVPSと何が違うのだろうか? 一番の大きな違いは「従量課金制度」を採用した事だろう。これにより、数日から数時間だけスケールアウトが可能なシステムもできるようになった。
もちろんスケールアウトができるシステムといっても、価格が高ければ意味が無い。この点、Amazon EC2はかなり安価で行えるようになっていた。他と比べても安価になっているため、Amazon EC2は普及していったのだろう。しかし「価格が安い」というのはAmazon EC2の特権ではなくなりつつあるようだ。今回は海外で登場しつつあるAmazon EC2型のクラウドコンピューティングのいくつかをご紹介しようと思う。
《SoftLayer》
「SoftLayer」は、アメリカのスタートアップに人気のあるWebサイトホスティングだ。ポール・グレアムが創立した事で知られるベンチャーファーム「Y Combinator」が発表した資料によると、Webサイトのホスティングに関しては67社中14社がこの「SoftLayer」を使用している。この調査ではAmazon EC2は67社中13社となっており、Amazon EC2よりも人気が高い事がわかるだろう。サービスの内容的にはAmazon EC2にあたる仮想コンピューティングサービスはCloudLayer Computing、Amazon S3にあたるストレージサービスCloudLayer Storage、またCDNサービス「CloudLayer CDN」などで構成されている。
1時間あたりの価格を見ると、Amazon EC2より若干高いか同程度の料金だが、料金表には月額料金も掲載されているので、わかりやすいだろう。
《vCloud Express》
vCloud Expressは、VMware社がサービスプロバイダー向けに提供するコンピューティング基盤で、現在のところTerremark社がサービスを行っている。Terremark社の「vCloud Express」のWebページを見ると、TopページにAmazon EC2との比較が掲載されているなど、かなりAmazon EC2を意識したサービスになっている。1時間あたりの仮想コンピュータの使用料金も0.035ドルと(性能比はともかく)Amazon EC2よりもかなり格安に設定されている。この価格できるかは難しいが「サービスプロバイダー向けに提供」と言っていることから、日本でもこれをサービスを利用するところが出てくるかもしれない。
《Cloud Servers》
最後はRackspace社の「Cloud Servers」。Amazon EC2ライクなホスティングサービスで、こちらもAmazon EC2との比較を掲載するなど、かなりAmazon EC2を意識したサービスになっている。実際にこちらも料金がAmazon EC2より安い(プランがある)。最低料金のプランは1時間あたり$0.015ドル、1ヶ月の利用は10.95ドルとなっている。詳細なAmazon EC2との比較は以下の記事が詳しい。今からAmazon EC2の利用を検討している方は「Cloud Servers」の検討しても良いだろう。
○Rackspace Cloud ServersがAmazon EC2よりも優れている点
ちなみに、この紹介記事が書かれているcloudropというブログは、この他にもクラウド関連や技術トピックで非常に面白い記事が掲載されている。まだ購読者数も少ないが、この手の話題に関心がある方は購読をすることをオススメする。
《まとめ》
上記のように、Amazon EC2のようなクラウドコンピューティングを提供しているサービスをリストアップしてみた。これを見ると、既にAmazon EC2のような従量課金型のホスティングサービスがいくつも登場しており(性能比もともかく)価格もAmazon EC2より安いプランが出てきていることがわかるだろう。日本では、なかなかAmazon EC2型のようなクラウドコンピューティングが出てこないが、日本のクラウドコンピューティングが出てくるころには、海外ではすさまじい安さでこのようなサービスが利用できるようになているのかもしれない。
投稿者 : 横田 真俊 | 投稿日時 : 2009.09.21 16:35
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名前:横田2009年09月23日 17:25
国内の専用サーバは、簡単には価格競争にはならないと思います。ただし、国内でもコストが安いレンタルサーハでは既に、価格競争になっているイメージがあります(例えば、ロリポップ、さくらのレンタルサーバ、ファーストサーバ、Webarena、coreserverあたりを見ていただくとわかります。)
国内でもAmazon EC2ライクなサービスが出てくれば、差別化の要素が無い限りは、価格競争になると思います。
名前:テスラ2009年12月14日 13:20
本質的にコスト削減がある以上、私も価格競争になると思います。
そうなるとVM派はライセンス費用の問題から最安値を謳う事は難しくなり、代わりにVMは安心のブランド力としてXen派との差別化を図り、違う顧客層を分け合うような気がします。






名前:NICO2009年09月22日 02:20
日本で EC2 的サービスが出てこないのは中途半端な市場規模が理由だと思うんだけど、その反面こんなふうなコスト競争にさらされることもないと思うんだよね。ガラパゴス的クラウド・ソリューションが登場すると僕は信じているんだけど…