Skypeは上手くいっているのに、何故ファイル共有ソフトはうまく行かなかったのか?
2006.05.17
以前、同じ「P2Pという技術を使っているのに、どうしてWinnyのようなファイル共有ツールはビジネスにならず、Skypeはビジネスとして成功しているのか? 」という質問をもらった事がある。
この答えとしては、ファイル共有ツールとSkypeとでは、ある意味「設備投資」の問題、つまり「コンテンツ(流す物)」とサーバに対する姿勢が大きく違っていたのだろう。
まずは、コンテンツから見てみよう。結論から言うと「ファイル共有ツールの場合はコンテンツの流すのに(本当は)許可がいる、Skypeは許可がいらない」ということだ。
ファイル共有ソフトの場合は流れているコンテンツは基本的に他人の物である。本来であるならば、流れている著作物に対してもライセンスを結び、お金を払う必要がある。つまり、正式に著作物に対しては、お金を払う必要があり。まずここに「お金」が必要となる。
しかし、P2P技術を使ったファイルシェアリングツールは、個々のクライアントに集めている「コンテンツ」を勝手に公開している。これは、本来ならば高いお金を払うはずなのに、お金を払う部分にお金を払っていないことになる。
端的に言えば、ファイル共有ツールが訴えられたのは、このような問題だ。当たり前だが、コンテンツホルダーにお金を払って、正式にライセンスを結べば訴えられる事はなかっただろう。(最近ではP2P技術を使ったファイル共有ソフトでも、コンテンツホルダーとライセンスを結び、そのコンテンツを配信している業者もある。)
一方のSkypeの場合、流れる「コンテンツ」は自分の声(もしくは相手の声)だ。自分の声を流すのに特に許可を得る必要は無い。また、Skypeは同時に話せる人数も決まっているが、Skypeを電話として使う分にはこれは問題とはならないだろう。
次に「サーバと回線」に対する姿勢を見てみよう。結論から言うと「大きい企業にとって、サーバや回線の増設は(中小企業に比べて)それほど負担にならない」ということだろう。
GoogleやAppleは突然出てきたネットベンチャーと違い、設備を整えるだけの余裕を持っている。だからこそ、iTunes Music StoreやGoogle ビデオはサーバ型でやっているのだろう。
しかし、Skypeは「突然出てきたベンチャー」だ。サーバの設備を整えるお金がありません。だからこそP2Pを使った(使わざるを得なかった)のだろう。
言うまでもないが、P2Pであろうがなかろうが、有効な使い方はあるし、問題になってしまうような使い方もある。Winny等があまりにも有名になってしまったが、個人的には「P2P=Winny」というような考えは持たないでほしいと思っている。
投稿者 : 横田 真俊 | 投稿日時 : 2006.05.17 23:07
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